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イベントレポート

CMOは「コラボレーション」を主導せよ アクセンチュアが提唱する新たな役割

 1月21日、アクセンチュアとアイ・エム・ジェイは「CMOの新たな役割」をテーマに記者説明会を開催。グローバルの調査から、従来に比べCMOの職域が拡大していることが明かされた。本記事では、CMOがこれから果たすべき役割について、調査結果や日本企業の抱える課題とともにお伝えする。

キーワードは「コラボレーション」

株式会社アイ・エム・ジェイ 執行役員 山本 崇博氏
株式会社アイ・エム・ジェイ 執行役員 山本 崇博氏

 同説明会では、アイ・エム・ジェイ 執行役員の山本氏が、アクセンチュアの調査レポート「CMOの役割の再考」について解説した。同レポートは、米国やカナダなど4ヵ国のマーケティング上級役職者に対するオンライン調査や電話インタビューを基に作成。CMOが担うべき役割について、具体的に検討されたものだ。

 同レポートによると、昨今マーケティングへの期待は広がりを見せている。よい製品を作り、ブランドの認知度を上げれば売り上げが伸びたのは昔の話であり、現在は複数チャネルでのプロモーションや購入後のカスタマーサービスを含め、あらゆる顧客接点において一貫した体験が求められるようになった。

 こうした状況に呼応して、CMOが担う職域にも変化が生じている。従来のCMOは、広告や広報の領域をを主に担っており、チャネルやキャンペーン単位で断絶的に個別成果を計測する場合が多かった。

 これに対し、同レポートでは、新たなCMOの理想像を「コラボレーション主導型」と定める。従来型との大きな違いは、ブランドのビジョンに合わせた組織全体の連携や、顧客体験の実現に向けた調整を担うという点だ。

「CFOがファイナンスという軸で企業を横断して組織変革にあたるように、CMOは顧客のインサイト、顧客体験という軸で、企業全体をアップデートしていく必要があるのです」(山本氏)

記者発表会の配布資料より抜粋(以下、同)
記者発表会の配布資料より抜粋(以下、同)

 同レポートの調査において、コラボレーション主導型のマーケターが存在する組織は、そうでない組織と比べて優位性をもつことが明らかになっている。「自社の顧客体験戦略を社員まで浸透させ社員のエンゲージメントを高めることが大切だ」「社内の部門を横断して連携するのが重要だ」と答えたマーケターを、「コラボレーション主導型マーケター」と定義し、自社の顧客体験について尋ねたところ「競合よりも勝っている」と答えたマーケターが、従来型に比べて27%多かった。コラボレーションによって、各部門のセクショナリズムを超えて、アジャイルチームやプロジェクト単位で動ける体制を構築し、顧客視点でマーケティングオペレーションを実行できていることが読み取れる。

コラボレーション主導型CMOの役割とは

コラボレーション主導型CMOが担う役割
コラボレーション主導型CMOが担う役割

 山本氏は次に、コラボレーション主導型CMOの役割を整理した。まずはCEOやCFOといった「Cクラス」に、顧客インサイトを正確に知ってもらえる状況を作り出すことが重要だ。その上で、顧客インサイトに基づき全社の事業をチェックし、価値の高い顧客体験を実現する企業にアップデートしていく。その際には、ニーズに合わせたテクノロジーを用意できるよう、社内外のリソースを活用していくことが欠かせない。

 同レポートからは、広告・宣伝に留まらず、会社の全体にコミットできる人物がCMOとして求められていることが浮かび上がった。山本氏は「ブランドが顧客に最高の体験を与えるためには、組織や従業員、その先にいる顧客、顧客が使うシステムといった全体をプランニングする必要があるのではないでしょうか」と、コラボレーション主導型CMOの重要性を強調した。

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/29 07:00 https://markezine.jp/article/detail/30210

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