アディッシュは、自社でSNSを運用している企業勤務者を対象に「SNSビジネス活用とソーシャルリスク・炎上対策の実態」に関する調査を実施。結果を公開した。
ソーシャルリスク対策 4割の企業が実施しているのは?
ソーシャルリスクに関する具体的な対策として、約4割の企業が「ガイドライン策定」と「研修」を実施していることがわかった。「未実施。今後も実施なし」と回答したのは5.2%で、SNSをビジネスで活用する企業のほとんどが、対策の必要性を認識していることがうかがえる。
従業員数100人未満の企業では「未実施で今後検討」が最多
従業員数別のソーシャルリスク対策状況では、有効回答者数の約6割にあたる100人以上の企業において、1位と2位は「ガイドライン策定」もしくは「研修」、3位が「マニュアル作成」だった。他の従業員規模の企業でも、概ね同じ傾向が観られた。
一方、有効回答者数の約4割にあたる100人未満の企業では、1位が「未実施で今後検討」、2位が「研修」、3位が「自社で不定期チェック」、次いで「対応方針は不明」と、100人以上の企業と比べて対策の内容とその割合が異なっていた。
金融業の12.1%が「100万円以上」の対策予算を割り当て
ソーシャルリスク対策予算に関して、対策にかける毎月の予算で最も多かった回答は、「予算なし」だった。一方で「予算がある」とした回答を合計すると66.4%であり、3分の2は、ソーシャルリスク対策の費用を確保していることがわかった。
業種別に見ると、製造業と金融業は「予算なし」の割合が極端に少なく、予算を割いている割合が大きい傾向が読み取れる。特に金融業では、全体では4.0%である「100万円以上」とする回答が、12.1%であり、金融を営利目的とする事業の性質上、ソーシャルリスクを強く意識する業界の姿勢が垣間見られた。
現実的な対策予算はどのくらい?
ソーシャルリスク対策予算がある企業に限定して、従業員数別に見ると、100人未満の企業で最も多いのは「10万円未満」だった。それ以外の規模では「10~30万円未満」との回答数が多く、ソーシャルリスク対策の現実的な予算は、この範囲と考えられる。
また、「30~50万未満」、「50~100万円未満」、「100万円以上」と回答する割合は、従業員数に比例して増え、10,000人以上の企業では合計で53.5%という結果に。リスク対策が企業課題として捉えられていると見受けられる。
懸念される「顧客からの指摘・クレーム」「従業員の不適切投稿」
懸念しているソーシャルリスクとして、最も多かった回答は「お客様からのご指摘・クレーム」、続いて「従業員の不適切投稿」だった。「風評被害」、「商品・サービスの不具合に関する投稿」、「情報漏えい」も軒並み40%以上の回答を得ており、ほぼ横並びと言える。
反対に「特に懸念していない」という回答は9.0%と少なく、ほとんどの企業が危機意識をもって取り組んでいることがわかった。
大企業には別の懸念も
懸念しているソーシャルリスクを従業員数別で見ると、10,000人以上の企業では「情報漏えい」が「お客様からのご指摘・クレーム」を上回り、全体の傾向と比較して強く意識されていることがうかがえる。
また、全体の回答では目立たなかった「業界全体への批判」も、1,000人以上10,000人未満の企業では20.2%だったのに対し、10,000人以上の企業では35.9%だった。
【調査概要】
調査期間:2018年12月14日~12月21日
調査対象:SNS運用をする企業に勤務中の従業員(個人事業主を除く)
調査方法:ネットリサーチ
調査地域:47都道府県 有効回答数:1,051
【関連記事】
・アディッシュとCandeeが協業 ライブ配信中のコメントモニタリングサービスの提供へ
・Resolaとアディッシュ、LINE等に対応したチャットボットサービス「RebotFAQ」を提供開始
・動画配信市場の規模推計、前年比19.5%増 Netflixなどが牽引【GEM Partners調査】
・キャンペーンの「オンターゲット率」、モバイルとPCで最大約10%の差に【ニールセン デジタル調査】
・クチコミ起点の購買・来店率、トップは「食料品」/SNS別の購買転換率は?【AMN調査】