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ネットで話題になるとどうなる?担当者が語るビフォーアフター

海外通販番組のパロディーで話題を呼んだUCC/累計再生数400万超のカギは「視聴のための動機づくり」


 海外の通販番組のような世界観で、「缶コーヒーは円柱だから持ちやすい」という至極当然の商品紹介をしたり、問い合わせ先の電話番号に無理矢理な語呂をつけたりするなど「ツッコミ」どころ満載の動画を配信したUCC上島珈琲。今回は、同社の「UCC BLACK無糖」ブランドコミュニケーション担当者に、同動画施策『UCC BLACK SHOW』について詳しくお話を伺いました。

缶コーヒーの魅力をあえて大げさにアピール

回答者:
UCC上島珈琲 マーケティング本部 IMC部
吉川 由利子氏

ブラックコーヒー「UCC BLACK無糖」のブランドコミュニケーションを担当。

――はじめに、今回のWeb動画施策『UCC BLACK SHOW』についてご説明いただけますでしょうか?

吉川:『UCC BLACK SHOW』は、弊社のブランド「UCC BLACK無糖」におけるブランド強化プロジェクトの一環として行った企画です。「缶コーヒーの良さを再認識してもらうには?」という課題に対して、広告代理店様よりご提案いただいた案をもとに、社内でもアイデアを広げた末に実現いたしました。

 内容は、海外の通販番組をパロディー化したものとなっていて、登場人物の名前(「ジム」「キャリー」)やお問い合わせ先の電話番号の語呂合わせなど、視聴したユーザーがツッコミたくなるような要素を動画内に盛り込んでいます。

『UCC BLACK SHOW』#ちょうどいい篇

 缶コーヒーは、形状自体は以前から変わっておらず、当ブランドで訴求している「BLACK無糖」という特徴も、そこまで目新しいものではありません。そのため、単に特徴をストレートに伝えてもユーザーの関心は獲得できないという難しさを感じていました。

 そんな中、缶コーヒーが持つ特徴をあえて大げさに、エンターテインメント性を持たせて伝えるというご提案をいただきました。お話を聞いた時点で「これはおもしろくなりそうだな」といった予感があり、すぐに『UCC BLACK SHOW』の制作を進めることになりました。企画が決まってからは、代理店様と連携しながら、社内外でアイデアを膨らませていき、楽しみながら内容を詰めていくことができました。

Web動画施策で重要なのは視聴の動機づくり

――『UCC BLACK SHOW』の具体的な狙いについて教えてください。

吉川:昨今、ペットボトルタイプのコーヒーの市場が拡大していく中で、缶コーヒーの市場は縮小傾向にあります。しかし「UCC BLACK無糖」のようなショート缶コーヒーにも、一気に飲み干して瞬間的に気分転換するのにちょうどいいサイズ感だったり、缶の素材が持つ性質上温度を実感しやすかったりと、ショート缶ならではの良さがあります。

 そういった当ブランドの魅力に気づいていただき、ペットボトルコーヒーや他の形状の缶コーヒーとの棲み分けができればと考えていました。

 当初は、Web動画を活用して缶コーヒーの飲用シーンをご提案しながら、缶コーヒーの良さに改めて気づいてもらえるよう訴求していくという方針でした。ただ、先ほど申し上げた通り缶コーヒー自体には新規性がそこまでありません。そのため、缶コーヒーの良さを普通に伝えるだけでは、特にWeb上においてはユーザーが視聴する動機づけが作れないという懸念がありました。

 今回実現した海外の通販番組のパロディーという方向性は、訴求ポイントも周知の事実であるからこそ、「そりゃそうでしょ」とツッコみたくなるという特徴があります。そのため、ユーザーの興味を喚起し、動画を視聴するきっかけを作りやすいです。これによって、ツッコミながらも最後まで動画を視聴いただき、変わらず続いている当ブランドの良さに気づいてもらうといった狙いがありました。

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MarkeZine(マーケジン)
2019/04/03 13:43 https://markezine.jp/article/detail/30512

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