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アイデア×テクノロジーで新しい体験を創造する/電通が採用を強化する「デジタルクリエーティブ」職とは

 電通は、2019年4月入社の新卒採用において「デジタルクリエーティブ職」という新しい職種の採用を開始した。これは時代の変化にあわせた採用の新しい形であり、今までの広告の形にとらわれず、デジタルやテクノロジーと斬新なアイデアを掛け合わせた「新しい体験」を創造できる人材を育てていきたいという、電通の思いを込めた取り組みだという。同社・CDC所属の保持壮太郎氏に、デジタルクリエーティブ職とこれからの広告業界について聞いた。

デジタルの登場で「広告」のフレームワークが曖昧に

――2019年4月に、電通史上初の取り組みとして「デジタルクリエーティブ職」の新卒採用を開始したと伺いました。採用サイトを見ると、「デジタルクリエーティブ職=アイデアとテクノロジーを掛け合わせて、イノベーションを生み出す人」とのことですが、あらためてどのような職種であるかを伺えますか?

保持:デジタルクリエーティブ職とは、テクノロジーの発達によって「実現できること」あるいは「挑戦できる場所」がどんどん拡張していくなかで、「従来型の広告にとらわれない領域でソリューションを生み出していく」職種のことだと思います。

株式会社電通 CDC 保持壮太郎氏
2004年電通入社。主な仕事にHonda「Sound of Honda / Ayrton Senna1989」「世界ヴェゼル」、NTTドコモ「FUTURE-EXPERIMENT」、三井不動産「BE THE CHANGE」、大阪・関西万博誘致プレゼンなど。Canne Lionsグランプリ、D&AD Black Pencil、ADFESTグランプリ、ACC賞グランプリ、TCC賞、文化庁メディア芸術祭大賞、日本パッケージデザイン大賞金賞、他受賞多数。Cannes Lions 2017 Cyber部門審査員、D&AD2018 Digital Marketing部門審査員。

保持:デジタル登場以前、広告会社・電通としてのクリエーティブは、いくつかの「枠」の組み合わせで作られてきました。たとえば「テレビCM」「ポスター」「ビルボード」というような広告の「枠」があって、「この課題は、これとこれを組み合わせて解決しよう」というように選んできたわけです。しかし、デジタルの登場でこれまでの広告という「枠」がだんだんと曖昧なものになってきました。

――どういうことでしょうか?

保持:様々なデジタルデバイスやメディアが生活者にとって身近な存在となったことで、「コンテンツ」や「サービス」と「広告」の境目が曖昧になったのです。日々接するおもしろいもの・便利なものが「純粋なコンテンツ・サービス」なのか、あるいは「ある企業が広告費をかけて作ったもの」なのかが、だんだんと曖昧なものになってきているのですね。

 デジタルの普及によって、これまでよりも広告会社がアプローチできる「枠」は格段に拡張しました。また、これまでできなかったことも、実現できるようになりました。デジタルの登場が、業界自体に新たな可能性をもたらしたのです。

アイデア×テクノロジーで新しい体験を創造する

――これまでどのようなコンテンツを手がけられてきたのでしょうか。

保持:たとえば、NTTドコモ(以下、ドコモ)と実施した「5G」を使ったプロジェクトで、Perfumeを起用した「FUTURE-EXPERIMENT VOL.01」という取り組みがあります。これは、Perfumeのメンバー3人に、東京、ニューヨーク、ロンドンという距離の離れた別々のステージで同時にパフォーマンスを行ってもらい、その映像・音声データをドコモの次世代無線通信規格5Gなどを用いて伝送するという実証実験を行い、テレビCMにしたものです。

 

保持:旧来型の広告クリエーティブであれば、「5Gというテクノロジーの価値をどう魅力的にたとえるか」という切り口で、「フィクション」としての表現を考えていたかもしれません。しかし、本取り組みでは、デジタルクリエーティブを中心とするメンバーで集まり、「5Gを使うと何ができるのか」「5Gでしかできない出来事とはどんなものか」という「リアル」を考えるところから始めました。

 そして、単に5Gでできることを見せても、それはただの技術デモンストレーションとなり、人の心は動かせません。そこで、「技術に詳しくない人が見ても、おもしろいと思えるものを作ろう」と考えました。

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

1993年生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。Web記事に加え、定期購読誌『MarkeZine』の企画・制作、イベント『MarkeZine Day』の企画も担当。最近はSDGsに関する取り組みに注目しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/17 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30974

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