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ロッテ、ミクシィが明かす話題化ノウハウ/カメ止めのヒット支えた、地道なTwitter活用

課題解決のカギは「それ1個ちょーだい」問題

 続いて、クライアント事例としてロッテとミクシィが自社のTwitterのマーケティング活用事例について紹介した。

 まずは、Twitter上で議論を活性化させることで、話題量を増やし売上アップも実現したロッテの「雪見だいふく」の事例だ。2018年に秋冬限定の販売から通年販売に切り替えた同ブランドは、季節を問わない年間のブランディングに課題を抱えていた。

 季節に関係なく食べたくなる仕掛け作りを考えていた同社は、SNSの話題量と売上に相関性があることに気が付いた。ブランド全体の話題量アップに取り組むことを決め、拡散力と生活者を巻き込む力に長けるTwitterでの施策実施を決断した。

 また、施策を行うにあたり、Twitterで起きていたある議論にフォーカスを当てた。それが「それ1個ちょーだい」問題だ。様々な食品に対して使われるこの言葉だが、2個入りの雪見だいふくに対して使われた時、自分は「あげる」のか「あげない」のか。この話題をブランド自らが問いかけることで話題量を上げ、食べたいと思ってもらえるモチベーションを高めようと考えた同社は、2018年11月に投稿型キャンペーン「#それ1個ちょーだいあげる派あげない派総選挙」を実施した。

 同キャンペーンは、公式アカウントをフォローして「#あげる派」か「#あげない派」かを選んで投票すると参加できる。特設サイトでリアルタイムの投票傾向やツイート内容を見られるようにすることで、議論の活性化を狙った。

 そして、Twitterの活用に最適なタイミングであるローンチ時、その後の中押し期、結果発表期の3つの山場を設け、話題が途切れないよう、細やかに施策を展開していった。

インフルエンサー、企業アカウントも巻き込み大成功

 他にも、この施策でユニークだった点がある。それは一般のTwitter利用者に加え、多数のインフルエンサーや他企業のTwitterアカウントを巻き込んだ点だ。インフルエンサーはYouTuberからVTuber、アイドルまで様々なジャンルのインフルエンサー29名を起用して、自らの主張を展開させた。

 企業アカウントに関しても吉野家やハウス食品、花王、ぺんてるなど全17企業に企画に参加してもらった。1個ちょーだい問題を自分たちのブランドに置き換え投稿してもらうことで、キャンペーンの盛り上げを図った。

 キャンペーンを多角的に展開した結果、ハッシュタグの話題量と雪見だいふくの言及量ともに目標に対し263%達成。「雪見だいふく」の売上自体も前年比で104%と伸長した。

 本キャンペーンを担当した坂本実咲氏は、「施策を通して手に取ってもらうために消費者に気付きを与えること、そして食べたいと思わせることの大切さを実感しました。入り口となる話題化のさらなる強化も必要。ただ話題になるのではなく食べたい気持ちを購買行動へつなげる施策を行いたい」とキャンペーンを振り返り講演を終えた。

ロッテ株式会社 ロッテノベーション本部 ブランド戦略担当 アイス企画課 雪見だいふくブランドチーム クーリッシュブランドチーム 坂本 実咲氏
ロッテ株式会社 ロッテノベーション本部 ブランド戦略担当 アイス企画課
雪見だいふくブランドチーム クーリッシュブランドチーム 坂本 実咲氏

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/07/26 10:00 https://markezine.jp/article/detail/31193

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