SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

納得のマーケター人生を歩むために!クリーク・アンド・リバー社と考えるキャリアと転職(AD)

変化の激しいマーケティング業界、年収1,000万円プレーヤーへの道をどう切り拓くか

 終身雇用制度の限界が叫ばれ、企業任せではなく自らキャリアプランを考える必要性が高まっている。しかし、日々業務に追われる中でそうした機会を作るのは容易なことではなく、何から考えていけば良いのか悩んでいるマーケターもいるのではないだろうか。本記事では、普段なかなか聞けない「マーケターの年収」をテーマに、デジタルマーケター特化型求人サイト「Symbiorise(シンビオライズ)」を運営するクリーク・アンド・リバー社にインタビュー。近年の傾向や年収アップに必要なスキルについて語っていただいた。

年収を決める三要素とは?単一スキルでは頭打ちの可能性も

株式会社クリーク・アンド・リバー社 成岡 信享氏
株式会社クリーク・アンド・リバー社 成岡 信享氏

クリーク・アンド・リバー社 成岡 信享氏

デジタルマーケターやデータサイエンティスト向けの求人・案件紹介サービス「Symbiorise(シンビオライズ)」において、マーケティングを中心に、AIやビッグデータ、IoTといった領域の人材紹介を担当。採用担当者と転職希望者の双方と接しながら、キャリア支援を行っている。

――初めにデジタルマーケターの年収について、近年の傾向を教えてください。

成岡:まず、国税局が出している「民間給与実態統計調査(平成29年度版)」によると、すべての職種における一人当たりの平均年収は467万円となっています。これは、フリーランスを除き、企業に勤務している給与所得者について算出したものです。

 一方、マーケターの年収は500~600万円だといわれていて、全体としては上昇傾向です。事業会社に勤めているマーケターの年収は、広告代理店などと比べて低くなりがちと言われてきましたが、CMOなどの概念の広がりにともない、金額が底上げされている印象ですね。

――マーケターにとっては嬉しい傾向ですね。実際にどのようなポジションにどれくらいの年収が提示されているのか、求人の条件を少しだけ教えてもらうことはできますか。

成岡:最近は事業会社も高めの年収で求人を出して、優秀な人材を探しているところが増えています。たとえば衣料品の製造・販売を手掛ける某企業では、新規ソーシャルサービスの立ち上げメンバーを、最大提示額1,500万円で募集しています。

 また、いわゆるメガベンチャーや急拡大のフェーズにある会社ですと、比較的年収は高い傾向にあります。某ネット系の企業では、デジタルマーケティングのリーダー候補というポジションに、最大1,000万円という提示がありました。

――具体的にはどんな要因が、年収を決めるのでしょうか。

成岡:年収を規定する大きな要因には、スキル、役職・ポジション、企業の3つが挙げられます

 スキルは、「デジタルの知識が豊富」「AIなど最先端の技術を扱える」「データ活用のノウハウがある」といったもの。役職・ポジションに関しては、CMOやマネジメント層であればその分年収が上がってきます。

 また、どの企業に所属するかということも、年収に小さくない影響を与えています。外資系企業や大手の広告代理店のほうが、年収が高くなることも多いです。

 マーケターの給与は全職種の平均と比べると高い傾向にありますが、年収1,000万円以上の方もいれば、若手層だと300~400万円の方もいて、ばらつきが大きい職種といえます

――他の職種に比べたとき、マーケターに特有の傾向はありますか。

成岡:当社ではマーケターに加えエンジニアのキャリア支援にも携わっているのですが、エンジニアの場合、特定のプログラミング言語を突き詰めプロフェッショナルを目指すことが、年収アップに結び付く場合があります。

 一方マーケターの場合、一つの領域で専門性を高めていった際の年収の上がり幅が、エンジニアに比べて小さいのが特徴です。つまりマーケターは、単一のスキルだけでは年収が頭打ちになってしまいがちで、周辺領域の知識やスキルを身につけることがより強く求められているといえます。

年収1,000万円へのキャリアを具体的に設計してみると……

――年収について語る際、目標としてよく掲げられるのが「1,000万円」だと思います。ここに到達するマーケターは、どのくらい存在するのでしょうか。

成岡:先に取り上げた「民間給与実態統計調査(平成29年度版)」を基に確認したところ、企業に勤務している給与所得者のうち、個人年収が1,000万円を超える人は全体の4.5%といわれています。平均年収が高めのマーケターという職種では、その割合がもう少し増えると予想できますが、それでも10%に満たないのではという感覚です。

――マーケターが年収1,000万円を目指すには、どんな方法があるのでしょうか。

成岡:まず、大手の広告代理店や外資系企業にいる方は年収が上がりやすく、早い方では30歳前後で1,000万円プレーヤーとなるといわれています。

 それ以外で1,000万円に到達する方法としては、「マーケティングと親和性の高い周辺領域のスキルを身につける」「企業のCMOを目指す」などのキャリアパスがあります。

 前者について例を挙げると、マーケティングに加えて事業企画などの経験を積み、マーケティングに強い新規事業の開発担当者として活躍することで、1,000万円に届いていくと思います。

 マーケティングはそもそも会社の売り上げを最大化するための手法の一つで、利益や事業計画にも大きなインパクトを与えるところですよね。事業計画を自分で立てられる、会計の知見をもっているといった周辺スキルを身につけることで、市場価値を上げていくことができます。

――「企業のCMOを目指す」という選択肢に関してはいかがでしょうか。

成岡:事業会社のCMOになるためのキャリアは、まずは一つの製品に対してでもいいので、何らかの強みを発揮することから始まります。その後は製品のブランド責任者を目指していき、マスも含めた様々な広告手法も身につけながら、最終的にはCMOとして全社を統括するというキャリアが拓けていきます。

――一方で、各領域の専門家としてキャリアを築いていきたいというマーケターもいると思います。「単一のスキルでは年収が頭打ちになりがち」というお話もありましたが、スペシャリストとして年収を上げていくには、どのような方法が考えられますか。

成岡:専門職に対して評価軸がしっかりある企業ですと、年収アップも可能です。代理店などは専門スキルが評価されやすい傾向にあるので、そうした会社に転職するか、もしくは今いる企業で上司に相談し、専門職としての自分のキャリアが築けるような制度を作っていくという方向性になると思います。

「転職を前提としたキャリア構築」はアリなのか

――複数回の転職を前提とする場合と、転職を選択肢としない場合では、キャリア形成や年収カーブは異なります。近年の傾向として、転職を通じてキャリアを作っていこうと考えるマーケターは増えているのでしょうか。

成岡:増えていますね。特に、新卒でセールスなどマーケティングではない職に就いた方が、マーケターへのキャリアチェンジを希望され、ネット広告代理店やコンサルティングのCRM導入を支援している企業に入るケースは一定数存在します。その後、マーケティングスキルを身につけてから事業会社に、というキャリアを想定されている方もいらっしゃいますね。

 また、マーケターが転職する場合は、スキルアップのために転職するケースが多く、「動かせる予算を増やしたい」というご相談をよくお受けします

 加えて「CRMの運用をやってきたが、そこから先のキャリアを目指すにはポストが埋まっている」「周辺領域にチャレンジさせてもらえない」などの理由で、ベンチャー企業に転職するケースもありますね。

――そうすると、転職を視野に入れながらキャリアを構築していくという考え方も、珍しくなくなっているのでしょうか。

成岡:必ずしも転職だけがマーケティングのスキルを身につけるための手段ではないのですが、マーケターになりたいと思っても異動が叶わなかったり、キャリアアップの場が用意されていなかったりというケースもあります。そういう方は、転職を選択肢の一つと考えてよいと思います。

 転職を前提とした場合は、「自分の転職軸」を明確にすることがポイントです。何を判断軸とするのかが明確なほど、転職は成功すると思っています。

3年に一度の「キャリアの棚卸し」が将来を作る

――市場環境や技術革新、運や偶然も影響し、不確定要素が多いのがキャリア構築ですが、マーケターが特に意識すべきことを教えてください。

成岡:「予算が小さくてもいいから、きちんと結果が出せたか」「PDCAサイクルを回して、狙い通りの結果が出せたか」が重要だと思っています。それが再現性のあるものであれば、その人はどんな環境でも活躍できるはずです。

 また、俯瞰して物事を見る力もマーケターには必要です。マーケティング業界は移り変わりが速いので、現在取り組んでいる手法が数年後には使われていない可能性もありますよね。そうなった時に、マーケティングとはそもそも何かという根本を理解していることと、マーケティングの周辺知識を吸収しておくことが効いてくるのではないかと思います。

――キャリアについて悩んだ際に、成岡さんのようなキャリアコンサルタントに相談すると、どんなことを教えてもらえるのでしょうか。

成岡:何よりも、「自分の市場価値を客観的に把握したい」というニーズにお応えできます。私たちはマーケティングの市場動向を把握していて、その人のスキルがどう評価されるかの物差しももっています。その物差しを活用していただくことで、一歩前に進むことができるかもしれません。

 中長期的なキャリアを考えた時に、身につけるべきスキルや目標は何かを一緒に考えることができるのも、コンサルタントに相談する良さだといえます。

 たくさんの転職エージェントがありますが、その中で当社の強みは、専門特化型で支援を行っていることです。専門性の高い仕事をされている方ほど、これまでご自身が行ってきた業務を説明するだけでも一苦労、という面があると思いますが、当社はデジタルマーケティングやデータサイエンスの領域に知見を持つコンサルタントが対応しているため、安心してご相談いただくことができます

 加えてフリーランスの支援やマーケティングコンサルティングの請負事業も行っていますので、転職だけを選択肢とするのではなく、その方の希望や置かれている状況に合わせた正解を探ることができる点も、他にはない強みだと考えています。

――最後に、MarkeZineの読者にキャリアを考える上でのアドバイスをお願いいたします。

成岡:日々の業務が忙しかったりすると、自分のキャリアを考える機会は多くはないと思いますが、マーケティングは変化の激しい業界なので、定期的にキャリアの棚卸しをするのは重要です。

 棚卸しのタイミングの目安は3年といわれています。一人だけで行うのには限界もあると思うので、お茶を飲んで相談するような感覚で、私たちを気軽に頼っていただきたいですね。

現在、クリーク・アンド・リバー社では、デジタルマーケターのキャリア相談を積極的に受け付けています! 詳細はこちら

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2019/06/21 10:00 https://markezine.jp/article/detail/31240