テレビ視聴率の印象が強いビデオリサーチが、実はデジタルマーケティング領域へのソリューション提供も長年担っていることはご存知だろうか。本連載では、「人」「モノ」「メディア」の3つの視点で生活者を捉え、詳細分析ができる大規模調査データベース「ACR/ex(エーシーアール エクス)」や同社が実施する各種調査を活用し、変化し続ける生活者のリアルを明らかにしていく。今回は「映像メディアと若者」をテーマとした分析結果を紹介する。
いつでもどこでも誰もが動画を楽しめる時代がやってきた
YouTubeを筆頭に、インターネット上の動画サイト・映像配信サービスが、若者の映像メディアの視聴行動を大きく変えている。また、スマートフォンとWi-Fi環境の普及がそれを強く後押ししている。加えて、InstagramをはじめSNSでも動画が多く投稿されるようになったり、TikTokのような若者の間で流行する動画アプリが登場したりと、コミュニケーション的文脈への動画の進出も著しい。
広告コミュニケーションを中心としたこれからのデジタルマーケティングにおいても、動画が重要であることは言うまでもない。また、読者のみなさんの中にも、すっかりNetflixやAmazon Prime Videoばかり見ている方や、寝る前にスマートフォンでYouTubeやSNS上で動画を見る習慣がある人もいるだろう。

今や、生活者が起床しているすべての時間において、何かしらの映像コンテンツの視聴が手軽にできるようになった。今こそ、映像メディアと生活行動の関係性を、細かく分析し理解すべきタイミングに差し掛かっている。
映像視聴がテレビ受像器を中心としていた時代は、自宅のリビングや自室における映像視聴を主に考えればよかった。しかし現代では、時間、場所問わず莫大な量の映像コンテンツを視聴することが簡単にできるようになった。そうすると、生活行動と映像メディアという関係性に、様々な組み合わせが発生する。たとえば、夕食中のテレビ視聴、移動中のSNSでの動画視聴、寝る前にベッドの中でのYouTube視聴などをイメージしてもらえばよい。
しかし、この生活行動と映像メディアとの関係性について、俯瞰してとらえている分析・研究結果は多くはない。そこで今回、ビデオリサーチひと研究所が作成した、若者の映像メディアと生活行動の関係性を俯瞰したマッピングを紹介することで、映像メディアと若者を考えていく上での手がかりを提案したい。
映像メディアを13の生活シーンから考える
全国の15~29歳の若者が、どのような生活シーンにおいて映像コンテンツを視聴しているか調査をした(図表1)。そして、その結果をコレスポンデンス分析にかけることで、映像メディアと生活行動の関係を示したマッピングを作成した。

【調査概要】ビデオリサーチひと研究所 映像メディアについての調査
調査対象者:15歳~29歳(中学生は除く)
サンプル数:1,968名
調査エリア:日本全国
調査方法:インターネット調査
調査時期:2018年12月21日(金)~22日(土)
まず、生活行動についてみていこう(図表2)。朝起床してから、夜就寝までの間で、映像メディアに接触するチャンスがあると考えられる13の生活行動(生活シーン)が平面にプロットされている。

横軸は「スマートフォンを触りやすい環境かどうか」を意味しており、右に行くほどスマートフォンを触りやすく、左に行くほど触りにくい環境となっている。縦軸は「社会的・時間的制約からの解放」を意味しており、上に行くほど好きな映像や動画を周りの目も気にせず(社会的制約なく)、好きな時間(時間的制約なく)見ることができる。
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- この記事の著者
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渡辺 庸人(ワタナベ カネヒト)
株式会社ビデオリサーチ ひと研究所 主任研究員
2009年ビデオリサーチ入社。広告会社やメーカーをクライアントとした調査企画・分析に従事する傍ら、若者研究や幸福研究などに携わり、2017年より現職。メディアと生活行動の関係について若者を中心に研究を進めている。専門社会調査士。※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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