Z世代は“自分に必要な情報が流れてくる環境”を作る
続いて、彼らのInstagramの使い方に迫る。アカウントを使い分けているのは、省エネペシミストと様子見フォロワーの2人。それぞれ、リアルの人間関係とつながるアカウントと、趣味や好きな芸能人・公式アカウントをフォローするアカウントの2つを使い分けている。様子見フォロワー・やまみほにその理由を聞いた。
「芸能人や公式アカウントは更新が早く、リアルの友達の投稿が埋もれてしまうので、アカウントを分けています。芸能人・公式用アカウントは、1日1回開くかどうかです。友達アカウントは、1時間に1回と、しょっちゅう見ます」(やまみほ)
さらに彼女は、洋服の情報をInstagramで得ている。ワンシーズンしか着ないトレンドの服は安い通販で済ませたいと思う一方、どんな商品が届くかが不安というやまみほ。彼女がフォローしているブランドは、毎日InstagramからLIVE配信を行い、実際に着た様子や素材などの情報を発信しているという。このブランドを知った背景を聞くと、「たまたまインスタで見かけたインスタグラマーの服が、可愛かった。タグからたどって、公式アカウントをフォローした」(やまみほ)とのこと。
この「たまたま見ていた」という流れが興味深い。冨田氏が「検索はしないの?」と聞くと、やまみほやえっちょは「あまりしない」と答えた。タイムラインに流れてきた写真に興味を持ち、タグをたどる。偶然の出会いが多いそうだ。

この会話を聞いていた斉藤氏は、「検索をしない子が増えてきた印象がある」と明かす。Z世代は自分に必要な情報が流れてくる環境を作るため、能動的に情報収集をする必要がない。一方、Y世代はGoogle検索が得意。Y世代に多いという省エネペシミストのかえでも、検索をするほうだという。「流れてくる情報量を狭めている分、興味があることは自分で調べなくてはいけないから」(かえで)と話す。
Z世代のインスタ消費は「InSDA」
「Z世代=インスタ消費」「インスタ映え」のイメージを、最も体現しているソーシャルよいこ。さらに、えっちょのInstagram使いを聞いていくと、洋服やコスメ、友達のアカウントと並んで、#カフェめぐりやイベントなどをフォローしているという。
「カフェやイベントが大事なのではなくて、映える写真や投稿できる写真が撮影できるかどうかです」と話す彼女の「映える」とは、ちょっと変わっていることを指す。現在、彼女たちの間ではソフトクリームが流行っているそうだが、形やお店の壁が可愛いといった、ちょっとした違いが「映える」に値する。「みんなが見たとき、“おっ?”って思わせたい。そんな映える物と一緒に、私がいるんだよということを伝えたい」(えっちょ)と語った。
「統計結果を見ても、インスタ消費を本当にするのは、4人の1人のソーシャルよいこ」とまとめた斉藤氏。最後に、えっちょは「ソーシャルよいこのインスタ消費はInSDA(インスダ)」と場を和ませ、セッションを締めくくった。
「私たちソーシャルよいこのインスタ消費の購買行動は、Interest(映える写真をソーシャルで見つけて)・Search(ハッシュタグやアカウントで検索をして)・Desire(映えている場所にいる自分を友だちに見せたくなり)・Action(お店へ行って食べると同時に投稿する)。これを一言で言うと、“InSDA”なのです」(えっちょ)
