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MarkeZine Day 2019 Focus

【Z世代=インスタ消費は嘘⁉】ループス斉藤氏×dot冨田氏が「4タイプのZ世代」のインサイトを探る

 7月2日に行われた「MarkeZine Day 2019 Focus」の基調講演に、「Z世代に聞く!ソーシャルネイティブのSNS活用とインサイト」と題し、4名のZ世代が登壇した。彼らは、大学生を中心としたコミュニティ「イノベーションチームdot」のメンバー達。セッションを進行するのは、同コミュニティと一緒に活動する、ループス・コミュニケーションズの斉藤徹氏、dot代表の冨田侑希氏の両名だ。Z世代が語る「インスタ消費」、そして「Z世代の真の姿」とは?

Z世代=インスタ消費は本当か?

 1996年以降に生まれた若者達を表現する言葉、Z世代。彼らはソーシャルネイティブとも呼ばれ、「Z世代と言えば、インスタ消費」の印象が強い。

 「“インスタ映えする場所や食べ物の写真を撮りたいから、行動を起こす”インスタ消費にフォーカスして、日本のZ世代の特性を見ていきましょう」セッション冒頭、こう語ったのは、ループス・コミュニケーションズ代表で、学習院大学の特別客員教授を務める、斉藤徹氏だ。

株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表 兼 学習院大学 特別客員教授 兼 イノベーションチームdot アドバイザー 斉藤徹氏
株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表 兼
学習院大学 特別客員教授 兼 イノベーションチームdot アドバイザー 斉藤徹氏

 同氏は、3年前にイノベーションを学ぶ学生のコミュニティ「イノベーションチームdot」を、同大学内に発足した。現在は、他大学のメンバーも含む160人規模に成長し、一部の機能を法人化。チームメンバーだった冨田侑希氏が代表を務め、Z世代が企業の課題解決や商品開発を行う「Z世代会議」や、イベントや会議の内容をリアルタイムに絵であらわす「チーム・グラレコ」などを事業として展開している。

 本セッションは、前半に斉藤氏の講演、後半には冨田氏とZ世代のディスカッションという構成で行われた。

株式会社dot 代表 冨田侑希氏
株式会社dot 代表 冨田侑希氏

Z世代大学生の消費行動は4タイプに分かれる

 まず語られたのは、Z世代に属する大学生の価値観・ライフスタイルだ。「みなさんの想像とはちょっと違います。学生は毎日忙しいのです」と斉藤氏。「大学はレジャーランド」というイメージは幻想で、Z世代の学生たちは講義にバイトにと、時間にもお金にも余裕がない。その背景にあるのは、年々減っていく可処分所得(お小遣い)だが、スマートフォンには月平均7,000円を惜しまない。

 そんなZ世代は、「つながり重視」「多様性に寛容」「インスタ消費」「シェア志向」といった特性があると言われている。斉藤氏は、「ソーシャルメディアによるつながりから、若者社会に新しいしきたりやしがらみが生まれている」と仮定し、大学の講義で「Z世代である君たちの特性を教えてほしい」と問いかけるアンケートを毎年実施している。

 アンケート結果からは、確かに「つながりと多様性」への共感度は極めて高く、Z世代共通の価値観であることがわかった。一方で「インスタ消費」や「シェア志向」については逆の結果となった。49の質問項目のうちでも際立って共感度が低く、4人に1人ほどの割合でしか存在しないことがわかったのだ。

 この結果は3,000人規模の調査「Z世代レポート」の結果とも通じるものだった。同調査において104の価値観や行動に対する調査をクラスター分析した結果、Z世代は「様子見フォロワー」「省エネペシミスト」「ソーシャルよいこ」「人生ガチ勢」の4つのタイプに分類でき、それぞれに消費特性が大きく異なることがわかったという。なお、これらのネーミングは『ファンベース』(ちくま新書)で有名な佐藤尚之(さとなお)氏によるもの。「シェア志向なのは『省エネペシミスト』、インスタ消費するのは『ソーシャルよいこ』、というように、同じZ世代でもその特徴は異なる」と斉藤氏。

当日の投影資料より(以下同)
当日の投影資料より(以下同)

 「SNSで人脈を広げるのは、ソーシャルよいこです。人生ガチ勢は、リアル中心に人間関係を作り、ソーシャル上で新しい自分を見つけることはしません。そして、省エネペシミストは本当に物を買わないタイプですが、ソーシャルよいこはショッピングが好きで、トレンドに敏感なのです」(斉藤氏)

Z世代はソーシャルよいこが多い

 4つのタイプをさらに詳しく見ていくために、セッションでは4タイプそれぞれの特徴を表す動画が披露された。斉藤氏いわく「イノベーションチームdotのメンバーは、ほとんどアドリブで簡単に撮影し、編集してしまう」そうだ。こんな些細なことからも、動画を日常的に撮るZ世代の素顔が見えてくる。

 動画からは、次のようなコミュニケーションタイプが見て取れた。まず、様子見フォロワーは、周りの顔色を気にしてしまい、自分で物事を決めるのが苦手なタイプだ。省エネペシミストは、一人の時間が好きで、自分なりのこだわりがある。ソーシャルよいこは、SNSの話題に敏感で「映(ば)える」ものが大好き。そして人生ガチ勢は、リアルな場を大切にし、盛り上げるための配慮に心を砕くタイプだ。

ソーシャルよいこの特徴を表す動画。その他の動画もYouTube上で公開されている。

 斉藤氏によると、これら4タイプはZ世代に限ったことではなく、たとえばY世代(1980年代初めから90年代半ばに生まれた世代)にも存在する。様子見フォロワーはZ世代、Y世代共に男性が多く、人生ガチ勢は両世代に一定数存在する。Y世代の女性は省エネペシミストが多い傾向があり、Z世代はソーシャルよいこが増えているそうだ。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/07/26 08:00 https://markezine.jp/article/detail/31591

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