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Criteoの調査で明らかになった、リターゲティング広告の正攻法

リターゲティング広告を1社に絞るべき2つの理由

ジェイセン:リターゲティング広告を1社に絞るべき理由は2つあって、1つ目は入札衝突という現象が起きるためです。

 ほとんどのリターゲティング広告は、RTBエクスチェンジを介してオークションによる取引が行われます。そのため、複数社のリターゲティング広告を使ってしまうと、同じ企業の広告で入札が競合してしまうのです。我々はこの状況を入札衝突と呼んでいます。

複数のリターゲティング広告(リターゲター)が競合して入札し合った結果
複数のリターゲティング広告(リターゲター)が競合して入札し合った結果、
本来であれば6ドルの支払いで済んだのが、9ドルに上がってしまう

MZ:では、複数社で配信しても、リーチは広がらない、ということでしょうか。

ジェイセン:おっしゃる通りです。そればかりか、入札が競合することで通常よりも高い広告費がかかってしまうというデメリットも抱えてしまいます。

MZ:2つ目の理由はなんでしょうか。

ジェイセン:フリークエンシーブラインドネスが発生してしまうから、というのが2つ目の理由です。広告の接触頻度を指すフリークエンシーですが、複数のリターゲティング広告を活用すると、合計で何回広告に接触したのかが正確に測れなくなってしまいます。この現象を我々はフリークエンシーブラインドネスと名付けています。

 たとえば、リターゲティング広告Aが1回目の配信をしたとしても、実はその前にリターゲティング広告Bで3回広告に接触をしていたとしたら、Aは4回目の接触になります。こういったことが重なると、ブランド体験の質を低下させてしまう恐れもあります。そのため、1社で一貫することでフリークエンシーを徹底的に管理すべきだと、我々は考えています。

複数社にすると最大30%もROIがマイナスに

MZ:では、これら2つの理由が重なると、広告効果にはどのような影響を及ぼすのでしょうか。

ジェイセン:実際の調査結果を表したのが以下のグラフです。1社から2社に増やした場合は、広告主のROIがマイナス22%、1社から3社の場合に至っては30%もマイナスになっています。

ジェイセン:これらの数字をブレイクダウンすると、1社から2社の22%のうち、8pptsは入札衝突、14 pptsはフリークエンシーブラインドネスによるものです。1社から3社の場合は、12 pptsは入札衝突、18 pptsはフリークエンシーブラインドネスとなっています。

 リターゲティング広告の市場は日々変化していますが、マーケターの皆さんには複数社を使ったリターゲティング広告がこれだけROIを悪化させていることを理解した上で活用をしてほしいですね。

次のページ
リターゲティング広告を正しく選ぶ方法とは?

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/01/14 10:00 https://markezine.jp/article/detail/32362

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