上島珈琲店が挑む、リアル店舗におけるCX変革
――リアル店舗でのモバイルオーダーサービスを提供する企業は増えていますが、その動向を橋本様はどのように捉えていらっしゃいますか?
橋本:2019年10月の増税にともなう軽減税率の導入により、テイクアウト需要の高まりに対応するためにも、モバイルオーダーの導入は有効と考えていました。加えて、オフィス立地店舗の朝の通勤時間や昼の ピークタイムのレジの行列を見て、利用を断念されるお客様の離反防止にも役立つのではないかと思い、対応する必然性を実感していましたね。
――モバイルオーダーを支援するサービスは他にも存在しますが、「Rakuten Ready」を選び、導入した理由は何だったのでしょうか?
橋本:「Rakuten Ready」は、モバイルオーダーの仕組みだけでなく、「楽天スーパーポイント」が付与されることで、約1億の楽天会員の利用促進につながる点も魅力に感じています。上島珈琲店のお客様層は、楽天会員の方々との親和性も高いと思います。
――「Rakuten Ready」の導入により、どんな効果と変化を期待されていますか?
橋本:モバイルオーダーの導入により、行列に並ばずに購入することができるので、一人でも多くのお客様に、上島珈琲店こだわりのコーヒーやフードを提供することができます。
また、これまでレジに並ばれてテイクアウトを利用されていたお客様も、「Rakuten Ready」を使ったモバイルオーダーに切り替えることで、レジの行列そのものを緩和することもできます。同時に、店内利用のお客様にとっても、レジでお待たせすることなくご案内が可能となります。テイクアウトを利用するお客様だけでなく、すべてのお客様にとってメリットがあるのです。
将来的には、利用者の位置情報から到着時刻を正確に予測して店舗に通知するソリューション「ARRIVE」の導入を予定しています。テクノロジーの活用によって、できたての商品をタイムリーにお客様に提供できるようになり、より高いCXの実現につながると信じています。
――先ほど橋本様がお話しされたように、「Rakuten Ready」は「楽天スーパーポイント」の付与など、楽天IDと連携することで、約1億の楽天会員基盤と連動させることができます。楽天が提供するサービスだからこそのメリットを、どのように捉えていらっしゃいますか?
橋本:楽天が持つ消費行動分析データなどにより、仮想のお客様像を分析することができますよね。よりお客様の層に合ったサービス設計、マーケティングアプローチを実現するためにも、ここは大きな魅力だと捉えています。
――リアル店舗は、お店に滞在するからこそ、体験できるサービスがあると思いますが、その一方でモバイルオーダーサービスを提供する意義を、どう捉えていらっしゃいますか?
橋本:お客様のその日の状況により、店内でゆっくりお過ごしいただく日もあれば、店外で楽しんでいただくこともあるかと思います。お客様の多様化するライフスタイルに対応し、快適なサービスの多様性を担保するために、モバイルオーダーの導入は役立つと信じています。
――「Rakuten Ready」を導入することによって、増加する店舗収益やリターン目標をどのように描いていらっしゃいますか。
橋本:まずは、レジでの待ち時間解消によってお客様の満足度を上げて、長期的な視点でCX向上によるリピート率改善を目標にしています。
――実現したいCXの在り方について、ご教示ください。
橋本:「Rakuten Ready」を利用するお客様は、待ち時間なくスムーズに受け取りが可能になる上、「楽天スーパーポイント」の獲得などによって、できたての味をお得に楽しんでいただけます。同時に、イートインのお客様はよりゆっくりと店内で過ごしていただくことができます。
同じ一人のお客様でも、シチュエーションによって、お店に求める快適な顧客体験は変わります。たとえば出勤前の朝や仕事の合間は、コーヒーをテイクアウトで即座に受け取りたい、一方で週末は家族や友人と一緒に店内でゆっくりと過ごしたい、などですね。テクノロジーの活用も柔軟に取り入れながら、お客様のシーンに合わせて最適な顧客体験を提供できるように尽力していきます。