複雑化する施策の貢献状況を「見える化」
こうした課題を、両者はDatoramaを通じてどのように解決していったのだろうか。Sansanの福永氏は「当社ではSmall、Middle、Enterpriseと顧客の規模別に営業チームが分かれています。各チームから獲得して欲しいリード数のリクエストが来ていたものの、どの施策がどの規模の顧客に効いているのか見える化できていませんでした。Datoramaを導入したことによって、各施策の事業規模別の貢献状況がわかるようになりました」と話す。
営業チームやインサイドセールス、マーケティング部のマネージャー陣が一堂に会する会議でも、細かく日次、週次、クォーターベースなどで区切って施策ごとのリード獲得数を同じダッシュボード上で見ることができるようになった。
「どの施策がどれぐらいリード獲得に貢献できているのかを、細かい施策単位で正確にチェックできるようになりました。そのおかげでマーケティング活動の精度が上がったと感じています」(福永氏)
部門間連携を強化するため、データ分析チームを新設
ヤプリの場合は、Datoramaを導入した2020年1月にアナリティクス&テクノロジー室という部署をマーケティング本部の直下に新設。運用体制を試行錯誤している真っ最中だ。
「それまでは各部門の担当者がそれぞれエクセルを加工したり、パワーポイントで資料を作ったりと、データの見方、取り方、フォーマットがすべてバラバラの状態でした。そこでアナリティクス&テクノロジー室を組成し、データを整備、データ分析のバックアップを行うと共に、ある部署で行われているノウハウを隣の部署にシェアするなど、情報(データ)の流通を促進していくことが狙いです」(山本氏)
アナリティクス&テクノロジー室を立ち上げてよかったことがもう一つあると山本氏は続ける。各部署からデータ分析に関する課題意識が上がってくるようになり、無駄な作業が可視化されたのだという。
「アナリティクス&テクノロジー室を作ることで、施策実施者だと気がつかない、『この指標はそもそも見るべきなのか?』『実はこの見る必要のないデータを加工するのにすごく時間がかかっているのではないか?』という本音が見えてきて、業務プロセスの改善に繋がりました」(山本氏)