※本記事は、2020年5月25日刊行の定期誌『MarkeZine』53号に掲載したものです。
COVID-19における本当のリスクとは
日本でのCOVID-19に関する状況が刻々と、政治レベルでの状況で変化している。外出制限が3月初旬に発動された米カリフォルニア州やニューヨーク州、イタリア等での状況がすでに遠い過去の出来事に思える。今後日本でも同様の規制や影響が順次想定され、ますます「感染」への関心が向いていく。考えておきたいのは、ウイルスを発端とした目の前の変化だけでなく、その背後に控える長期的な「経済」に関する危機と変化についてだ。
既に実際にCOVID-19による人体的な感染にあわれた方々も存在する事情には、最優先で配慮をしたい。その一方で一般生活者目線ではCOVID-19の事象は、感染者数の伸びや、短期的な生活の落ち着きに関心が向きがちだ。本稿での提案は、目先の報道の日々の数字ではなく、少なくとも次の1年後、さらに3年後のスパンでの自社の事業のあり方に目を向けることだ。日常生活から少し遠い「世界の経済・債権・通貨の市場(小難しいこと)」とそのインパクトについては、報道記事として視聴数が稼ぎにくい情報のため意識が薄くなる特性がある(なお、本稿は執筆時の2020年3月末を軸としている)。