独自の指標で施策とコンテンツとのマッチ度を評価
――施策を行う中で、どのようにPDCAを回しているのでしょうか。
池田:施策の形を検討する際は、ABテストを実施しながら、ブラッシュアップを図っています。施策を継続するかどうかは、ROIを見ての判断です。
オフラインの場合はターゲットを特定して行う施策が多いので、同じ抽出条件でとってきた母数に対してアプローチするグループとしないグループに分け、両グループのCVのサンプルを増分のCVとして、最終的にコストを回収しているかを利益ベースで見ます。
清水:オンラインについては、リテンション目的のものに関しては純増効果が測れるので、レスポンスの純増とそれによる純増売上金額、ROIを指標に施策評価を行っています。
顧客エンゲージメント醸成のためにより重要視している各種配信施策に関しては、一般的なネット指標と同じで、開封率やCTR、CVRや直帰率、アクティブのオプトアウト(メルマガ登録解除)の割合など。あとはコンテンツがターゲットにマッチしているかを見るために、リンクパワーというCTRとCVRを掛け合わせた当社の独自指標を使ってリンク別/配信別の評価を出しています。

オンオフの統合と予測モデルの活用でROIを2倍以上に
――そうした施策の実行に、現在はMAツール「Aimstar」を活用されているとのことですが、導入の経緯や背景にあった課題、「Aimstar」を選ばれた理由を教えてください。
池田:元々はデータベースから、色々な条件でクエリを設定して抽出し、そのリストをもとに施策の実行や効果検証をしていました。ただし、作業にかなりの時間を要していたため、それを改善する目的で「Aimstar」を導入しました。
実際に導入すると、当初の目的通り作業負荷がかなり軽減され、ワンクリックで効果検証できるまでになりました。分析機能に関しても、それまでは一から手でクエリを作ってやっていましたが、「Aimstar」には100種類以上の分析テンプレートが標準搭載されていて、高度な分析の機能も揃っているので、分析の手間もなくなりましたし、レベルもかなり上がってきたと実感しています。
清水:補足すると、これまでもオンライン側で導入していたMAツールはありました。しかし操作が難解で、大分前にリリースされたものだったので機能も限定的で、オフラインへの適用も難しかったんです。
それで新しくMAを導入する際は、オフラインでも活用できるものにし、シームレスな施策実行をしていきたいと考えていました。その点「Aimstar」は、オンライン・オフラインのデータを統合できるのが採用ポイントとなりました。
――導入後に行ったマーケティング施策で、どんな部分に効果を感じましたか。
池田:効果が高かったのは、DM施策です。
今まで我々のターゲットの設定条件は、基本的に最終購入時期(リーセンシー)と累計購入回数(フリークエンシー)でセグメント分けすることが多かったのですが、「Aimstar」が導入されてからは、機械学習を取り入れたDMの予測モデルを作ってもらい、お客様の属性や購入傾向からスコアリングが行われスコア上位へDM送付する仕組みも取り組み始めました。
まだ開始から半年ほどですが、回数を重ねるたびに効率が高まっていて、従来の施策と比べてROIに倍ぐらいの差が出ています。
