電通サイエンスジャム(以下、DSJ)は、視聴環境の違いによる動画広告への視聴態度の変化を脳波計測により検証し、その結果を公開した。
今回の検証では、ヘアサロンの個席に設置されたデジタルサイネージメディアでの動画視聴体験と自宅での動画視聴体験を、脳波計測による感性把握技術を用いた感性の計測によって比較。
DSJが開発した脳波から感性へ変換するアルゴリズムにより、ストレス度、集中度、好き度、興味度、ワクワク度を0~100の値で測定し、リアルタイムに感性変化を評価した。また、デジタルサイネージメディアにはデジタルガレージの「サキザキテルコ」を用いた。
美容室でのデジタルサイネージ視聴は、ストレス度が34pt減少
動画視聴前安静状態を100%とした場合、視聴中の各感性指標の増減結果は、以下の通り。
自宅では、動画視聴前安静状態と比較して、視聴中ではストレス度が上昇、集中度と好き度が減少した。一方で美容室での視聴は、ストレス度は34pt減少し、集中度、好き度はいずれも上昇をしていることがわかった。
次に、視聴後の感性指標の増減を調査。動画視聴前と視聴後では、自宅では17ptの上昇が見られ、美容室では39ptの上昇が確認できた。
環境の違いにより興味度に差が
それぞれの環境における動画視聴時の興味度の推移を以下に表した。
全被験者において、興味度の変化が自宅での視聴よりも美容室での視聴のほうが、変動が大きいという結果となった。
ユーザーが視聴する環境や状況によって、広告を含む情報の受け方に違いが出ることから1viewの広告の効果は、広告接触回数やユーザーの属性・特性だけでなく、視聴環境、視聴状態に影響を受けることが同調査で明らかになった。
【調査内容】
検証実施日:2020年7月20日~28日
検証実施場所:被験者自宅および都内美容室
調査対象者:20~30代一般女性8名
視聴動画:デジタルサイネージメディア「サキザキテルコ」で配信される約10分間のグルメ、ファッション、エンタメで構成された動画2種類
使用機材:感性アナライザ(DSJ製)
調査方法:調査対象者の自宅に脳波計測機と動画視聴用のタブレットを配布し、自宅と美容室の2環境で実施
【関連記事】
・電通サイエンスジャム、フルリモートで脳波計測ベースの感性評価実験ができるサービスを開始
・脳波測定で感情の変化を可視化 電通サイエンスジャム、感性把握システム「VA Analyzer」を開発
・脳波で感情を可視化!ドゥ・ハウスが電通サイエンスジャム、TVCと「ニューロマーケティング」をリリース
・「カロミル」運営会社が総額約6000万円の資金調達を実施 データ活用で電通サイエンスジャムと業務提携
・電通とデジタルガレージ、最先端科学をビジネス化する新会社「電通サイエンスジャム」設立