帝国データバンクは、2020年度上半期(4月~9月)の広告関連業者の倒産動向について集計・分析し、その結果を公開した。
倒産件数は2020年9月末までに108件 4年連続で前年比増加の可能性
2020年の広告関連業者の倒産件数は、9月末までに108件。負債総額は67億100万円となった。2020年の上半期(1月~6月)は73件となり、前年同期(65件)を上回るペースで推移、その後は件数が落ち着いたものの、2019年の1月~9月累計の107件をわずかに上回っている。
広告関連業者の倒産は、リーマン・ショックの翌年、2009年の258件をピークに減少が続き、2014年には200件を下回った。その後も減少し、2016年には114件と低水準を記録したが、その後は増加に転じて、2019年まで3年連続で前年を上回っている。10月以降の動向によるものの、前年を上回り4年連続で増加する可能性がある。
業種別では「広告代理業」が2020年を上回るペースで推移
広告関連業者の倒産を業種別に集計。結果「広告代理業」が57件(構成比52.8%)で最多。次いで、「広告制作業」が31件(同28.7%)、「ディスプレイ業」が12件(同11.1%)と続いた。
春以降、広告業界全体で新型コロナウイルス感染拡大による需要減退が続いており、例年最も件数が多く、2020年においても前年を上回るペースで発生している「広告代理業」の倒産件数を押し上げる可能性がある。
負債総額は「5000万円未満」と小規模事業者の倒産が最多
広告関連業者の倒産を負債規模別に見ると、「1000万-5000万円未満」が74件(構成比68.5%)で最多となった。以下、「5000万~1億円未満」が17件(同15.7%)、「1億~5億円未満」が16件(同14.8%)と続いた。「1000万円-5000万円未満」は、2009年時点では全体の半数程度であったが、近年は7割前後まで上昇。対して、負債10億円を超える倒産は2020年には発生しておらず、50億円以上に至っては2011年から発生していない。体力に乏しい小規模事業者を中心に倒産が発生している。
また、同社の実施している景気動向調査においても、飲食店、アパレル関連業者、旅館・ホテルなどに次いで、景況感は悪化しており、今後倒産件数の増加が懸念されていると同調査では述べられていた。
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