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MarkeZine Day 2021 Spring

リクルート「スタディサプリENGLISH」のCM開発【高速PDCA&調査ドリブンが生むメリットは?】


 3月2日にオンライン開催されたMarkeZine Day 2021 Springに、リクルートで「スタディサプリENGLISH」のプロモーションを統括する奥田真嘉氏が登壇。テレビCM制作のプロセスを細分化し、仮説検証や調査を徹底することで勝率を上げていく“調査ドリブンCM開発”のステップを公開するとともに、各領域のプロが集まる制作チームにおいてマーケターが果たすべき役割、すぐに取り入れられる字コンテや企画整理の方法など、実践に役立つ情報を惜しみなく提供した。

テレビCMを難しくする2つのハードル

 「デジマ出身者が語るCM開発のフレームワーク~『スタディサプリENGLISH』が実践する調査ドリブンCM開発とは?」と題された本セッション。同社が展開するTOEICテスト対策向け英語学習アプリ「スタディサプリENGLISH」のプロモーションを担当する奥田真嘉氏が、3年目を迎えたテレビCM施策について語った。

株式会社リクルート マーケティング室 スタディサプリENGLISH 担当マネージャー 奥田真嘉(おくだ まさよし)氏1989年生まれ、奈良県出身。慶應義塾大学環境情報学部卒。2013年、リクルート入社。「ゼクシィ」にて、WEBマーケティングを担当後、子会社経営企画・事業開発担当を経て、「スタディサプリENGLISH」へ。2020年より、オンライン・オフラインのプロモーション全般を統括するマーケティング室のスタディサプリENGLISH担当グループマネージャー。

株式会社リクルート マーケティング室 スタディサプリENGLISH 担当マネージャー
奥田真嘉(おくだ まさよし)氏

1989年生まれ、奈良県出身。慶應義塾大学環境情報学部卒。2013年、リクルート入社。
「ゼクシィ」にて、Webマーケティングを担当後、子会社経営企画・事業開発担当を経て、

「スタディサプリENGLISH」へ。2020年より、オンライン・オフラインのプロモーション全般を統括する

マーケティング室の「スタディサプリENGLISH」担当グループマネージャー。

 まず奥田氏は、テレビCMの難しさをデジタル広告と比較しながら言及。圧倒的な配信ボリュームが見込めるテレビCMであるが、デジタル広告に比べ、費用が巨額になる上、リアルタイムな入札調整などができないなど、CPAを大外しする可能性があるという点において、リスクコントロールのしづらさに難しさがあると語る。加えて、次のような入門ハードルの高さがあるという。

 「GRPやTRP、純粋想起といった専門用語や、クリエイティブ検討においての専門的な知見が必要になるにもかかわらず、公開情報が少なく学びにくいという点があります。デジタルマーケティング担当者がマスプロモに挑戦する例も増えてきましたが、初心者向けの本がなかなか見つからないのが現状です」(奥田氏)

 そこで、上述のような課題を感じるデジタルマーケティング担当者が、テレビCMへ挑戦するための基礎と実践方法を解説した。

クリエイティブ設計が超重要

 テレビCMで成果を出すための要素として、奥田氏は「クリエイティブ設計」と「投下設計」の2点が運用ドライバーであると述べ、本セッションではクリエイティブ設計にフォーカスして詳細を語った。

 「テレビCMではクリエイティブ設計が非常に重要です。たとえば、デジタル広告であれば効果が薄ければセグメントや入札を絞ることで効果の良い配信にリアルタイムで寄せていくことができます。しかし、テレビCMは実質オールターゲティングとなるので、そうした調整ができません。そのためクリエイティブを入念に設計することでターゲティングし、CVR向上につなげていけるかが成否を分けます」(奥田氏)

 続いて奥田氏は「スタディサプリENGLISH」が取り組んでいる調査ドリブンCM開発のコンセプトを明かした。

調査を起点に高速PDCA、調査ドリブンのメリットとは

 テレビCMのクリエイティブ制作の際、よく耳にするのはオリエンから制作まで一気に進めてしまうパターン。また、最近増えてきた運用型テレビCMにおいても、素材を2パターン制作し実放映でのA/Bテストを行うというものだ。しかし、結果的ではあるが、大きく外すパターンを素材として作るのはコストも時間も無駄となってしまう

 そこで「スタディサプリENGLISH」では事前検証から制作と放映、そして事後検証とプロセスを細分化。これにより、実際の結果と照らし合わせて振り返りながら細かく素早く、何が有効か、何が顧客にとって魅力的なクリエイティブなのかを高速にPDCAを回し、進化させていくことが可能となる。

(タップで画像拡大)
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 具体的には次の3つのメリットがあるという。

1. 細分化した検証プロセスにより、高速でナレッジの学習が可能
2. クリエイティブの感覚論を、実際の結果と照らし合わせファクトに転換が可能
3. 常に結果が出るので、中長期にわたる制作でも議論の軸がブレにくい

 続いて「スタディサプリENGLISH」での実際の検討事項や調査結果を交えて、具体的な実施手順が紹介された。

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この記事の著者

臼杵 優(ウスキ ユウ)

ビジネスやWebマーケティング、テクノロジーなど様々なWebメディアでの編集・執筆を経験。また、メディアでの執筆と並行し、企業の導入事例インタビューやオウンドメディア支援や運用を行っている。マーケティング業務に従事できる編集者として活動している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/12 10:01 https://markezine.jp/article/detail/35682

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