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リクルート「スタディサプリENGLISH」のCM開発【高速PDCA&調査ドリブンが生むメリットは?】


調査結果と実放映結果のズレを解消するには

  STEP2. ビデオコンテ調査では、訴求調査で見えた効果的な訴求要素を基に、5案前後のアニメーション素材を作成。それを基にコンセプトボードによる調査同様に、定性調査と定量調査を行う。このステップでは実際のテレビCMに非常に近いものを制作し、その中で良かったものを実際の撮影へと進めていく。

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 STEP3.プレ調査では、改めて放映予定素材の調査を行うという。STEP2.ビデオコンテ調査はあくまで検証用のアニメーション素材であり、撮影を経てタレントの魅力も引き出された実素材とは質感が異なる。そのため奥田氏は、ビデオコンテ調査通りのパフォーマンスが撮影後の実素材においても再現できているか、調査結果に変動がないか、放映素材の決定前にプレ調査を行っているそうだ。

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 STEP4.実放映においては、プレ調査の結果を基準に初期の放映素材比率を決めると同時に、ローカルエリアでの素材検証も行っていく。これまで前提としてきた調査環境と実際の視聴環境には、大きな差があるため、調査の事前検証が良くても実放映ではイマイチというケースを避け、より良い素材を確定するためにこの事後検証STEPは欠かせないという。

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 ここまでが、調査ドリブンCM開発の主な手順だ。この根本にある考え方として奥田氏は以下の3つを強調した。

1. 定性調査での感覚値が、仮説を生み出す
2. 調査と売上には飛躍があり、事後検証が必須
3. 決めの問題を減らした上で、効果的に決めを作る

 「顧客像の手触り感がないと、有効な仮説が導出できない」と奥田氏。クリエイティブが成果を分けるテレビCM制作においては特に、感覚値も大切になる。その感覚値を持つためにも、定性調査を非常に重視する。また、調査の結果が良くても売上につながらないケースも発生しうるため、事後検証も欠かせない。そして「決めの問題」で制作が進むことも多いテレビCMであるが、なるべく検証可能な問題に落とし込むことが、再現性の高さにつながっていく。

 続いて奥田氏は、テレビCMを実際に制作する上で、マーケターがぶつかりやすい障壁とその解決手段に触れた。

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各領域のプロが集結する制作現場、マーケターはどうふるまう?

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この記事の著者

臼杵 優(ウスキ ユウ)

ビジネスやWebマーケティング、テクノロジーなど様々なWebメディアでの編集・執筆を経験。また、メディアでの執筆と並行し、企業の導入事例インタビューやオウンドメディア支援や運用を行っている。マーケティング業務に従事できる編集者として活動している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/12 10:01 https://markezine.jp/article/detail/35682

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