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フォロワーを増やすには「エンゲージメント」を最重要KPIに置け!成果を出すTwitter運用術とは

 近年、自社ブランドのプロモーションを目的に、Twitterアカウント運用に取り組む企業が増えている。しかし、様々な投稿を行うものの思うようにフォロワーを増やせずに、成果を感じられずにいる企業も多いのではないだろうか。「多くの企業はTwitterマーケティングにおけるKPI設計から間違っている」と指摘するのは、Twitter運用分析ツール「Keywordmap for SNS」を提供するCINCの間藤大地氏。間藤氏に、Twitterマーケティングにおける正しいKPI設計と、成果を出すための運用方法について尋ねた。

Twitter運用におけるKPI、正しく設計できていますか?

――本日はTwitterマーケティングにおける正しいKPI設計と、成果を出すための運用方法についてお伺いしていきます。いきなりですが、CINCが考える正しいKPI設計とはどのようなものなのでしょうか?

間藤:基本的な考え方は、「有益な情報」の提供によってエンゲージメントを高めることが最重視すべきポイントとなります。

 Twitterを運用する企業の多くが抱えている課題として、「とりあえずフォロワーを増やす」といった漠然としたKPIを置いていることが挙げられます。そのため、何が達成できて何を改善すべきなのか、PDCAを回すための議論ができないまま何となく運用が進んでしまっているように見受けられます。

 「フォロワーを増やす」というKPI設定は間違いではありません。目に見えるような結果値としてフォロワーの増加は重要でしょう。だからこそ、フォロワーを増やすという結果をKPIとして置くのではなく、「フォロワーを増やすため」のプロセスをKPIに置く必要があるのです。それが「エンゲージメント」です。

株式会社CINC ソリューション事業本部 推進部 部長 間藤大地氏
株式会社CINC
ソリューション事業本部 推進部 部長
間藤大地氏

――エンゲージメントですか。

間藤:そうです。そもそも、Twitterの仕組みとして「フォロワーを増やせばリーチが広がる」というイメージを持たれる方もいらっしゃると思いますが、現在のTwitterは「エンゲージメントの高いツイートが上位表示される」というアルゴリズムになっています。

 エンゲージメントとは「いいね」や「リツイート」「返信」「プロフィールクリック」などを指し、Twitter上のツイートアクティビティを表示することで確認できます。このようなエンゲージメントが多くついているツイートはタイムラインの上位に表示される傾向にあり、フォロワーではない人にも間接的に届けられる仕組みになっています。そのため、フォロワー数を目的とするのではなく、「エンゲージメントの高い投稿を行っていく」ことを目的にKPI設計を行っていくのが正しい形となります。

――なんとなく「フォロワー数」を指標にしがちですが、それだけではインプレッション増加につながらないのですね。

間藤:フォロワーを増やすためには、「誰に」投稿を見てほしいのかを明確に定義したうえで、まずは一定のツイート数を担保する必要があります。それから、定義した相手がエンゲージメントしやすいようなテーマに基づき、ハッシュタグなどを用いることで、効率的にフォロワー外のユーザーに投稿を届けていくような戦略を行う必要があります。

 ただし、こういった施策の中でも最も重要なのが、エンゲージメントしやすいテーマを導き出していく運用体制と手法です。この効果検証が適正に行える運用構築が、結果としてフォロワー数を増やすことに繋がると考えています。

 具体的には、ユーザーにとって「何が」有益な情報なのか仮説を立てつつ、エンゲージメントに再現性を持たせる必要があります。そうしてエンゲージメントが何度も繰り返されていく中で、「この企業アカウントは自分にとって有益なアカウントだ」と気づいてもらい、アカウントのプロフィールページをたどってフォローしてもらう、といったフォロワーの増やし方を目指していくイメージです。

 ユーザーがアカウントをフォローする理由付け。つまりエンゲージメントするための「有益な情報」を継続的に提供していくという確たる姿勢が重要なのです。その結果としてフォロワーが増えるということを忘れてはいけないと考えています。

属人化を避けてエンゲージメントの高い投稿をするには?

――エンゲージメントを最重視するKPIとして置くことがよく理解できました。では、具体的にエンゲージメントを増やしていく方法について教えていただけますか?

間藤:Twitter運用のノウハウとして、以前から「エンゲージメントを高める投稿」の議論がされてきました。その中で、一番大事なのは「共感を得ること」と言われています。

 多くのマーケターの方々が「共感を生むツイートを作らなければ」と投稿作成に取り組んでらっしゃると思うのですが、そもそも共感を生むツイートはどのようにして作ればいいのでしょうか。よく耳にするのは「対話を生む」であったり、いわゆる「エモいツイート」であったり、非常に抽象的かつ属人的な方法ばかり。これでは企業が再現性を持って運用することは難しいですよね。

 弊社では、そのような抽象的で属人的な「共感」をデータで可視化し、再現性をもってエンゲージメントを獲得し続けるために「Keywordmap for SNS」というプロダクトを開発しました。

――「Keywordmap for SNS」では、どのように「共感」を可視化していくのでしょうか?

間藤:「Keywordmap for SNS」では、アカウント名を入力すると、自社・他社にかかわらず、すべてのTwitterアカウントの投稿状況を下図のような散布図で可視化していきます。縦軸にエンゲージメント、横軸に投稿数を置いており、キーフレーズごとのエンゲージメントと投稿数を可視化していきます。キーフレーズとは、エンゲージメント数が多い投稿に含まれる特定の語句を意味します。

間藤:この散布図は、投稿の回数が多くかつエンゲージメントの高いツイートのキーフレーズが良い状態としたとき、右肩上がりを描いているのが理想的な形となります。

 たとえば、エンゲージメントの割合が高いにも関わらず、投稿回数が少ないキーフレーズは左上に表示されます。その場合、もっと投稿回数を増やして右上に表示させることを目標にできます。

 一方で、投稿回数が多いもののまったくエンゲージメントしていない投稿があれば、そのキーフレーズは右下に表示されます。こういったキーフレーズはエンゲージメントを生んでいないので、今後は投稿しないほうが良いという判断ができるようになります。

 自分たちがどういうキーフレーズを保有していて、どのくらいの頻度で投稿しているのかを可視化することで、次の投稿を作る時の基準ができます。同時に、多角的な投稿を繰り返していくことで、新しいキーフレーズデータを増やし、エンゲージメント傾向を探っていくことも大切でしょう。

 様々なテーマの投稿を継続的に発信して、どんなテーマが効果的なのか分析し続けることで、「共感を生む」ようなエンゲージメントの高いツイートが再現できるようになります。

 なお、Keywordmap for SNSは、自社だけでなく他社のアカウントも分析できるため、自社サービスに近い他社アカウントの中で、エンゲージメントの高いツイートの傾向を分析することも可能です。自社アカウント・競合アカウントの両者を分析して、継続的に高いエンゲージメントを生むツイートを作り続けることができるため、組織としてTwitterの運用体制を作っていくことが可能になります。

フォロワーを急増させた、日経就活版のTwitter運用

――この散布図を使って、投稿するコンテンツを整理していった結果、成果につながった事例などはありますでしょうか?

間藤:日本経済新聞社様の日経就活版【公式】(@shukatsu_ban)の運用において、上記の投稿コンテンツの見直しを行った結果、アカウントの立ち上げからわずか4ヵ月で7,600人超え(2021年4月時点)のフォロワーを獲得することができています。下記がアカウントのフォロワー数増加の推移のグラフです。

間藤:また、キーフレーズの投稿数とエンゲージメントを表した散布図は下記の通りです。まだ運用開始から4ヵ月程度なので改善途上ではありますが、分散していたキーフレーズを一定の効果的な位置へと集約しつつあり、右肩上がりを目指し、社内にて議論を続けていらっしゃいます。

Twitterの運用を「感覚的」なものから「定量的なデータ分析」へ

――Twitter運用に関わる担当者に向けて「Keywordmap for SNS」をどのように活用してほしいですか?

間藤:Twitter運用に関わる担当者の方の中には、「ビジネスへの効果」を感じていながらも、具体的な成果として定量的なレポートを出せていないという課題を抱えている方も少なくないはずです。

 また、実際の運用においても、「共感を生むツイートが必要」というように頭ではわかっていながらも具体的なアクションを起こせず、社内でも建設的な議論ができていないこともあるかもしれません。

 「Keywordmap for SNS」は、そうした課題を感じている方に使っていただきたいです。このツールを通してTwitterの運用を「感覚的」「属人的」なものから「定量的なデータ分析」へ改革することによってPDCAサイクルを回し、売上につながるような運用体制の構築が当たり前にできる世界を目指しています。

――最後にTwitterの運用に課題を持っている読者に向けてメッセージをお願いします。

間藤:近年、企業が自社ブランドのプロモーションを目的に、Twitterアカウントを運用するケースが非常に増えてきています。総務省の調査によると、オープンソーシャルメディアの中でTwitterは最も利用率の高い媒体であることがわかっています。自社ブランドへの単純接触回数を増やすために、可処分時間の長い媒体であるTwitterを活用することは、企業活動として当たり前のことと言えるでしょう。

 一方で、いざTwitterのアカウントを作ったものの、なかなかフォロワーやエンゲージメント数が伸びず「本当に意味があるのか?」と運用に課題を感じられている担当者が多い現状があります。

 そして、こうしたTwitter活用に課題を持つ企業は、そもそも間違ったKPI設計を行っている可能性があります。したがって、まずは先ほど申し上げたように適切なKPIを明確に設定することを強くお勧めします。

 Twitterのビジネス活用は、まだ現状としてもブランディングや広報といった役割として運用されているケースが目立つように思います。認知拡大という側面から活用は進んでいると思うのですが、再現性がない場面が多く見受けられます。

 本来、Twitterは広報的な役割だけにとどまらず、顧客との接触による認知拡大に始まり、Webサイトへ送客、商品やサービス名の指名キーワードでの検索、商品を迷った時に選ぶ基準として、購買ファネルの入口から出口までつながる役割を持っているはずです。

 コンテンツマーケティングやサイト改善運用施策のように、「Twitterの運用」をマーケティング部門が担い、定量データに基づいて分析改善していく世界を作り出せたらと考えています。定量化したデータがあれば、戦略的に予算を割いて運用する従来のデジタルマーケティングの方法と同じ形で進められるのが理想です。

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この記事の著者

臼杵 優(ウスキ ユウ)

ビジネスやWebマーケティング、テクノロジーなど様々なWebメディアでの編集・執筆を経験。また、メディアでの執筆と並行し、企業の導入事例インタビューやオウンドメディア支援や運用を行っている。マーケティング業務に従事できる編集者として活動している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/20 13:34 https://markezine.jp/article/detail/35815