博報堂生活総合研究所は、2021年3月、「新型コロナウイルスに関する生活者調査」を実施した。
2月8日に緊急事態宣言の延長が決定し(栃木を除く10都府県で3月7日まで)、その後13日には過料を科す改正特措法施行、17日にワクチンの先行接種が開始。一方、感染者数は減少に転じ、3月1日には関西、東海、福岡6府県で同宣言が先行解除された。ただ2月後半になっても感染者数が下がりきらない首都1都3県では、さらに2週間の緊急事態宣言の再延長が決定、といった状況下で実施した調査だ。
生活自由度は3カ月連続の減少に歯止め
感染拡大以前の普段の状態を100点としたとき、現在の状況下における「生活自由度」が何点くらいかを聞いたところ、56.8点と2月から1.9ポイント増加。3カ月連続の減少に歯止めがかかった。
不安や行動抑制度は全項目で減少
新型コロナウイルス感染拡大に伴う「不安度」は、「情報の不足や不確かさの不安を感じる」が62.2%で7.7pt減、「行政の対応に不安を感じる」が74.9%で6.5pt減。3カ月連続で全項目が増加していた「行動抑制度」も全項目で減少した。
特に、「外食を控えている」が76.7%で5.7pt減と減少が目立ち、「交友・交際を控えている」は81.3%で4.1pt減、「旅行・レジャーを控えている」が86.5%で4.0pt減と続いた。
密集しない屋外での行動が増加
「行動変化度」では、「外出を控え、家の中でできる娯楽を楽しんでいる」が69.9%で5.4pt減、「家にいる時間が増えたので、なるべく自分で料理をするようにしている」が56.9%で3.8pt減など、家の中での行動に関する項目が減少。
対して、「人が密集しない屋外で運動をするようにしている」が44.5%で4.8pt増、「人が密集しない屋外でのレジャーを楽しんでいる」が43.4%で4.0pt増など、屋外での行動についての項目が増えている。
生活者の意識と行動は、2020年11月を境に外から内に転じ続けていたが、再び外に向き始めたことが伺える。
なお、同調査は当面の期間実施し、毎月第3~4週に発表する予定だ(今後の状況変化により調査内容などを変更する可能性がある)。
【調査概要】
調査期間:20201年3月4~8日
調査地域:(1)首都圏40km圏/東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県(2)名古屋40km圏/愛知県・三重県・岐阜県(3)阪神30km圏/大阪府・京都府・行護憲・奈良県
調査対象者:20~69歳の男女
対象者割付:調査地域(1)~(3)各500人を各地域の人口構成比(性年代)に合わせ割付
サンプル数:合計1,500人
調査方法:インターネット調査
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