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今必要なのは想い×愛嬌 博報堂クリエイターが語るTwitter起点のブランドコミュニケーション

ソフトバンク事例に学ぶ、Twitterを活用したパーパスの作り方

 具体的にはどのようにしてTwitter上で想い・愛嬌を伝えていけばよいのか。藤平氏はソフトバンクと9人組ガールズグループのNiziUがコラボレーションしたプロジェクトである「NiziU LAB」をケーススタディに、Twitterをヒントに想いを作り、愛嬌を持って伝えていく方法を紹介した。

 当初想定されていたのは、ソフトバンクのxRコンテンツ配信サービス「5G LAB」でのNiziUを起用したコンテンツ制作だった。しかし、藤平氏がクリエイティブディレクターとして最初に考えたのは、3つの懸念だった。

 「1つ目はNiziU自体が大ブレイクして情報・バラエティ・音楽番組などに日々露出していた点。2つ目は既に5G LABではアイドルやIPに関するコンテンツが多数ラインナップされていた点。そして3つ目は、広告のキャスティングとしてはやや後発だった点。本当にコンテンツ制作だけでいいのかも含めて、これらの課題を解決するアイデアが必要でした」(藤平氏)

 この3つも念頭に、パーパス、ジョブ/モーメントについて、藤平氏のチームはプランニングをスタート。まず、プロジェクトとしてどんな志を持つのかについて、本音が表れる「2ndクエリ」を駆使してソフトバンクとNiziUについて、Twitter上でリサーチを行い決めていったという。

 「たとえば、『ソフトバンク+最高』『NiziU+楽しみ』のような、2つ目の検索ワードの組み合わせを変えてツイートを検索していくと、本音となるキーワードが浮かび上がってきます」(藤平氏)

 そして、リサーチの結果見えてきたのが、ソフトバンクが提供するWOWへの「期待感」、そしてコロナ禍も相まって起こっているNiziUに対する「渇望感」だった。そして、藤平氏は「期待感」と「渇望感」を掛け合わせて、「NiziUとWithU(NiziUファンの総称)の“関係”を応援できるプロジェクトにする」というパーパスを設定した。

 このパーパスを起点に、NiziU初のxRプラットフォーム「NiziU LAB」というコアアイデアを生み出し、タグライン「さぁ、NiziUを楽しみつくそう。」をはじめ、テレビCM・xRコンテンツ・キャンペーンなど、企画の全体像を設計していった。

コアファンのTwitterリサーチでジョブ/モーメントを探る

 続いて、藤平氏はジョブ/モーメントの視点から、愛嬌をもって、どのようにこのプロジェクトを盛り上げてきたか解説した。

 「NiziUとWithUの関係を応援する」というパーパスのもと、どのように遊び心を発信するのか。これに対し、藤平氏はNiziUに限らずディープなファンの発信内容と会話内容の徹底リサーチをTwitter上で行った。アイドルやアーティスト、スポーツチームなどのコアファンが普段どのような会話しているかを探ることで、何かにハマる人の行動原理をつかもうとした。

 この結果、見えてきたのは「感謝」「ツッコみ」「認め合い」というキーワード。アイドルなどの各種情報を1人で集めるのは難しい。その中で「こんなニュースがあったよ」などとお互いが情報をシェアし合い、認め合い感謝する。そして、アイドルに対してファンが、もしくはファン同士がツッコんで盛り上がるカルチャーがあることもわかった。

 また、NiziUならではのモーメントも見えてきた。それは、20日や20時など、NiziUの名前にあやかって盛り上がる文化。そのため、藤平氏は当初予定していた日付から2月10日(≒NiziU LABの日)にローンチ日を変更することを、ソフトバンクと一緒に決定した。

 そして、これらのジョブやモーメントの探索から、藤平氏は「ソフトバンク=初心者WithU」というTwitterでの情報発信におけるキャラを設定した。

 「2月10日、20時というモーメントを活かしつつ、WithUの皆さんの文化に初心者アカウントとしてお邪魔させていただく。そのような関わり方でNiziU LABを盛り上げていきたいと考えていました」(藤平氏)

次のページ
パーパスとジョブ/モーメントを反映したTwitter運用

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/11 19:43 https://markezine.jp/article/detail/35963

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