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日本の運用者TOP3に学ぶ、Criteoで最大の成果を引き出す方法

 Criteoは2021年3月、新パートナー制度として「Criteo Expert」と「Criteo Tech Partner」を新設。本記事では、まだ日本に3名しかいないCriteo Expertに選ばれたSepteni Japanの余川氏、ソウルドアウトの小野氏、フィードフォースの北島氏に、Criteoの効果を最大化する方法、また今後のサードパーティーCookieの規制に対しどう対応するかなどを語ってもらった。

Criteo運用の日本TOP3が運用で心がけていることは?

中村:今回はCriteoが新しく設けたCriteo Expertに選ばれた、余川さん、北島さん、小野さんの3名にお越しいただき、Criteoの効果を最大化するためのヒントを探っていきます。

CRITEO株式会社 Chief Industry Strategist 中村 祐介氏
CRITEO株式会社 Chief Industry Strategist 中村 祐介氏

中村:まず、Criteo Expertとは何かについて簡単に説明します。これまでCriteoの認定プログラムは、取扱高に応じて会社単位で認定させていただいておりましたが、今回新たにCriteo ExpertとCriteo Tech Partnerを追加しました。

 Criteo Expertは長年Criteoの運用に携わっており、Criteoの社員にも匹敵するような知識や突出したスキルを持った個人を認定するプログラムです。今年の2月に開催させていただいた代理店様向けのアワードにて、今回お越しいただいたお三方を認定させていただきました。

 そして、Criteo Tech Partnerは、取扱高ではなく、タグやデータフィードなどCriteoを扱う上で必要となる技術力をお持ちの企業様の中で、単体サービスとして広告主へ提供している企業様を認定しています。Criteoの実装にはタグやデータフィードに関する知識が必要となるため、主に中小企業の広告主を中心に技術的なサポートへのニーズをいただくケースが多くありました。今回、Criteo Tech Partnerを新設することで、その橋渡しをできればと考えました。

 では、早速本題に入っていければと思いますが、皆さんは普段Criteoの運用でどのようなことを心がけていますか。

余川:一番重要なのは、Criteoへの深い理解だと考えています。Criteoの最大の特徴はAIエンジンの高度な学習アルゴリズムですが、それを最大限活かすには学習するデータの質と量を担保することが必要です。

 そして、データの質と量を担保するためにCriteoの媒体特性を踏まえ、目的に合わせたタグ・フィードの整備と学習設計を行います。たとえば、ECであれば新規ユーザーを獲得したいのか、ROASを改善したいのかなど、目的によってタグの設計やフィードの構成も変わってきます。

Septeni Japan株式会社 メディア本部 ソリューション部 部長 余川 大介氏
Septeni Japan株式会社 メディア本部 ソリューション部 部長 余川 大介氏

中村:導入部分できちんと目的を整理し、それに合わせたタグ・フィードの設計が必要になるというのは非常に重要ですよね。北島さんはいかがですか。

北島:Criteoのエンジンと一言で済ますのではなく、複数のエンジンが働いていることを意識するようにしています。Criteo AIエンジンは入札に働くエンジンとクリエイティブに働くエンジンに分かれているので、タグで与えた情報がどのエンジンに作用するかを配信開始の段階はもちろん、タグの改修などを行う際にも意識しています。

中村:おっしゃる通り、Criteoではいかに正しいデータをエンジンにフィードバックしていただけるように設計していくかが重要になりますので、そういった点を意識していただくのは非常にありがたいです。では、最後に小野さんにもお伺いできればと思います。

小野:私もお2人と同様に、Criteoのことを理解し、タグとフィードの設計を通じてエンジンにとってどのような状態を作るかを一番意識しています。加えて、Criteoは高いパフォーマンスを発揮するので目標CPAも合わせやすい分、その先にある売上や利益に対してどれだけ貢献しているのかも考えて運用しています。

 たとえば、BtoB企業向けにSaaSを提供する企業の場合、1CVでもその企業の従業員数によって金額が変わるのでROASも異なってきます。そのあたりへの配慮も求められると思います。

Criteoのアッパーファネル向け製品に対する本音

中村:Criteoでは近年、リターゲティング広告のみのプロダクトから、フルファネル戦略によってミドル・アッパーファネル向けのプロダクトの開発にも注力しており、Criteo Customer Acquisition(以下、CCA)やWeb Consideration(以下、Consideration)の提供を開始しています。

 Criteo Expertの皆さんはこれらのソリューションについて、どのようにご提案されていますか? また、提案に対しお客様から何かフィードバックをいただくことがあれば、ぜひ教えてください。

株式会社フィードフォース プロフェッショナルサービス事業部 Feedmaticチーム リーダー 北島 舞氏
株式会社フィードフォース プロフェッショナルサービス事業部 Feedmaticチーム リーダー 北島 舞氏

北島:CCAやConsiderationは、コンバージョンの最大化だけではなく、新規顧客の獲得に注力しているお客様に対して、提案することもあります。ConsiderationはCriteoでリターゲティング広告を使っていなくても予算が合えば配信できますし、安価なCPCで新規ユーザーを流入させることが可能です。ある程度UUが溜まってきたら、リターゲティング広告にシフトすることもできますね。

 一方で、Criteoの新規向けソリューションには課題もあると思っています。CPCが安価ではあるものの、その先のCVにつながる質の高いユーザーが獲得できているかというとまだそこが明確に評価できない段階にあります。そのため、エンジンの改善でより良くなっていくことを期待しています。

 また、CCAに関してもCVのデータが蓄積されないとなかなか効果が改善されないので、そこに関するエンジンの改善があると、より活用したいというお客様は増えてくると思います。

ユーザー数が少なくても始められるサービスに

中村:我々の強みはエンジンの自動最適化によるパフォーマンスの高さであり、皆さんにもそこに期待いただいていると思いますので、今後も改善していきたいです。小野さんはいかがですか?

小野:リリースされた頃に比べると、非常に扱いやすいプロダクトになったと思います。リリース当初は日予算のコントロールも難しかったのが、今はかなり改善されているので、日々プロダクトが改善されている旨も含めてお客様に提案しています。

 また、北島さんからもありましたが、CPCが非常に安いのが一番の特徴だと思います。リターゲティング広告でアプローチできる人の母数が減ってきたら、提案することがありますね。

中村:これまでのCriteoでは、ある程度既存ユーザーがいて、サイトに一定のUU数がなければ実施することができなかったのですが、CCAのリリースによってそもそも既存ユーザーを増やす段階のお客様にも提案できるようになっているのは大きな変化だと思います。

Considerationはサービス立ち上げ期に有効

中村:余川さんはいかがですか。

余川:CCAに関しては我々も積極的に活用しています。他の媒体で言うところの類似配信に近い機能だと思っていて、Criteoは少し馴染みがない言い回しもあったりするので、クライアント様にはできる限りわかりやすく伝えられるように心掛けています。学習に多少時間がかかってしまうものの、コンバージョン目的で活用すれば非常にパフォーマンスの安定しやすい良いプロダクトだと思っています。

 もし可能であれば、学習が終わったことがわかる表示をするなど、あとどのくらい待てばいいのか、CVが何件あると学習が終わって改善が始まるのかがわかるようになると嬉しいです。

 また、Considerationに関しては、ショッパーグラフや学習精度の高さ、フォーマットの豊富さもあって、CTRが高い印象です。しかし、我々広告代理店サイドの課題でもありますが、直接CVに至らないケースが多いため、KPI設計は今後の課題だと思います。これに関しては、Criteo単体ではなく、他の媒体も含めて俯瞰して分析する必要があると思っています。

 あと、Considerationはサービス立ち上げ期にブーストをかけるのに役立つと思っています。サービスのユーザー数が少ない立ち上げ期は、リターゲティング広告を配信するためにユーザーが集まるまで数ヵ月待つ必要がありますが、Considerationを活用することでリターゲティングが配信しやすい状況を作っていくことも可能です。リタゲからではなく、新規ユーザーの来訪からCriteoを使い始めるケースを今後増やしていきたいと思います。

これからのデータ利用規制にどう対応する?

中村:では、続いて今後のデータ利用規制に対する対応についてお聞きします。GoogleのブラウザであるChromeでは将来的なサードパーティーCookieの廃止が発表され、AppleでもIDFAの利用に関する新しいポリシーが適用されるなど、データに対する規制が強まってきています。

 これに関して、代理店の皆さんでは現状どのような対応を進めていらっしゃるのか、またCriteoに対しての要望や期待することもお伺いできればと思いますが、小野さんからお願いします。

ソウルドアウト株式会社 マーケティングテクノロジー本部 本部長 小野 友嘉氏
ソウルドアウト株式会社 マーケティングテクノロジー本部 本部長 小野 友嘉氏

小野:AppleやGoogleなど規制を行っていくプラットフォーマーがどういった思想なのかをガイドラインなどから読み解いて、トライ&エラーをしていきたいと考えています。ただ、海外の情報をお客様に伝えるだけでは理解してもらえないので、きちんと我々が理解してその上でどういった思想で運用していくかを伝えることが重要だと感じています。

 また、ゼロパーティーデータやファーストパーティーデータの価値が高まってくるので、そこの蓄積・活用もサポートできればと思います。

中村:そうですね。Criteoとしても、大前提としてユーザーのプライバシーを守ることは大切なことだと考えていますので、その上でプラットフォーマーごとの思想や考え方を理解し、新しい仕組みやポリシーに対応していく必要がありますね。次は、余川さんはいかがですか?

余川:現在は情報収集を常に心がけて、今後考えられる影響をクライアント様や社内に発信しています。また、noteでの情報提供も行っています。私はこの規制が進むにつれて考えなければいけないことが2つあると思っていて、それは法規制の順守と広告成果の可視化です。

 法規制の順守に関しては引き続き情報収集を行い、決められたルールの中でファーストパーティーデータの活用などを検討していきたいと考えています。一方広告成果の可視化に関しては、これまで細かに計測できていたものができなくなる可能性があります。そのため、広告がKGIに対しどう貢献しているのかを計測するだけではなく、統計学などを用いて証明していくアプローチも必要になってくるだろうと考えています。

中村:なるほど。我々メディアサイドとしては、その新しいアプローチに対してどのようにデータを提供してサポートしていけるのか、検証も含めて一緒に取り組んでいく必要がありますね。では最後に北島さんからもご意見をお伺いできればと思います。

北島:現状既に影響を受けている媒体や一部計測ができなくなっている事例を見聞きしているので、お客様に不安を与えないよう細かなサポートを心がけ、そのような事態が起きている技術的な背景を理解し、お客様に伝えなければならないと思っています。

 また、その変化によってパフォーマンスが低下している媒体も出てきているので、広告代理店の役割として、未来を見据えたポートフォリオやマーケティングプランの設計を提案できたらと思います。

EC以外でもCriteo活用を増やす

中村:皆さんがこれからのデータ利用規制に対しても、すでに対応を始められていることが伺えました。我々Criteoとしてもこれからのどう対応していくのか、今後もぜひ情報交換させていただければと思います。では、最後に皆さんにCriteo Expertとして、今後お客様に対してどのような支援をしていきたいか、その展望を教えてください。

小野:お客様のアドテクノロジーに関する困りごとを解決できる存在、そしてデータ活用を推進できる存在でありたいと思っています。時代の潮流を読んで、そこに合わせた提案を的確にできるようにしていきたいですね。

北島:Criteo Expertの名に恥じないインプットとアウトプットを行っていきたいです。また、私1人だけCriteoに詳しくてもあまり意味がないと思っているので、社内の他のメンバーにもCriteoのことを深く理解して好きになってもらい、運用力の底上げを図っていきたいです。

 今後も引き続きCriteo Expertとして新しい機能のテスト配信などには積極的に協力して、Criteoをより良いプロダクトにするお手伝いができればと思っています。

余川:今後もリターゲティング広告に限らずCriteoのファンを増やしていきたいです。そして、Criteoで高いパフォーマンスが発揮できるよう、様々なクライアント様の支援ができればと思っています。

 Criteoを活用する企業のメインはECですが、アプリインストールにおいても他の媒体に引けを取らないパフォーマンスですし、単一訴求においても結果が出ている事例も出てきています。ダイナミックやリターゲティングを使わずとも、パフォーマンス目的であればCriteoはあらゆるケースで活用できると思っているので、様々な企業に対しCriteoでビジネス成長できる体験を提供できたら嬉しいです。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/09/13 10:00 https://markezine.jp/article/detail/36543