自社の苦手分野を理解し適切なアウトソースを実施
兼任体制でマルチタスクを推奨するマガシークだが、それでもやはりリソース・ノウハウの不足からは逃れられないと小手川氏は話す。
事業部を統合したタイミングでメンバーが減り、日々新しい施策に取り組まなければならない状況を前に、同社は外部パートナーの協力を積極的に仰ぐことでリソース不足をカバーしているそうだ。外部パートナーと協力体制を構築するにあたり、小手川氏は「パートナーに要望を丁寧に伝え、決して丸投げしないこと」をポイントとして挙げた。
マガシークのパートナーを務めるReproは、マーケティングツール「Repro」を中心に伴走型のマーケティング支援を行っている。同ツールはWebサイトやアプリケーションの行動データを取得し、ユーザー企業の保有するデータと掛け合わせることで、Web接客やプッシュ通知などの施策を実現。世界66ヵ国、7,300サービスでの導入実績を誇るReproの看板ツールだ。
Reproはこのツールを使いながら、4~5名体制でマガシークが取り組むマーケティング施策の提案・分析・実行をサポート。時間と工数がかかるために内製で行うことが難しい業務を請け負っている。
「弊社はデザイナーが多いので『ページを作る』という業務なら自社でスピーディーに実行することができますが、システムまわりが手薄なのでツールの運用はReproさんのようなプロに任せた方が早いんです。企業によって強みは違うので、プロに委ねるべきポイントの見極めは必要だと思います」(小手川氏)
伴走型の支援がインハウス化の地盤を作る
ツール導入時に発生する学習コストを専門家のサポートで最小化し、初速を落とすことなくツールの効果を最大化できる点も、伴走型のサービスを提供するReproの強みだ。
「将来的にはインハウス化を目指す企業様もいらっしゃるため、ツールの導入から約1年でユーザーに向けたコミュニケーションシナリオを確立し、徐々に自走体制へシフトできるよう支援しています」(岡野氏)
セクショナリズムやリソース不足を乗り越え、組織変革に成功したマガシーク。今後の展望について、小手川氏は以下のように語った。
「昨今はCookie規制への対応がデジタルマーケティング領域全体の課題とされていますが、こうした専門性の高い領域については内製のチームだけで対処しきれません。Reproさんの協力を仰いでクリアしつつ、ファーストユーザーの獲得に注力していきたいと考えています」(小手川氏)
コロナ禍でオンラインシフトが急速に進み、デジタルマーケティング人材が慢性的に不足する昨今。そんな中でECサイトの売上を最大化させるためには、チームの体制整備とパートナーとの関係構築、そしてツールの適切な運用が求められる。マガシークとReproは本セッションを通じ、それら3要素の有用性を示した。