プライバシーに配慮した広告で、ブランドの世界観を届けたい
MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに今回のお取り組みの概要を教えてください。
希代:ご紹介するのは、Metaが開発した広告配信・最適化のソリューション「コンバージョンAPI(以下、CAPI)」をSpartyさんに導入いただいた事例です。
昨今Cookie規制が話題になっていますが、Facebook/Instagram広告においてもデータに欠損が生じ、配信や計測に影響が出ると予想されています。そこでCAPIでは、広告主のサーバーに蓄積されたデータを、直接Metaサーバーへと連携する「サーバー to サーバー」という手法を使って、プライバシーに配慮しながら最適化を行います。
坂口:SpartyはパーソナライズとD2Cを軸に事業を展開している会社で、代表的な商品にはパーソナライズヘアケア「MEDULLA」や、パーソナライズスキンケアサポートブランド「HOTARU PERSONALIZED」などがあります。
華やかな見た目が特徴でもあるブランドのため、画像や動画を用いて世界観を伝えることができるInstagramを重宝しています。実際に2018年にMEDULLAを発売開始してから、顧客数の成長に最も貢献してきた広告はFacebook/Instagramでした。
そのためCookie規制でどのような影響が出るのか不安がありましたが、CAPIを導入し良い数値が出たことで、見通しが立ち安心しているところです。導入の提案・支援は、CyberACEの杉山さんを中心にご担当いただきました。
杉山:今回、CAPIとWebピクセルを併用した広告配信のパフォーマンスは、Webピクセルのみを活用した場合と比べて、CPAがマイナス11%、コンバージョン件数送付量は13%増加、CPMがマイナス23%の結果となりました。
MZ:ありがとうございます。本記事では、Spartyさんが導入を決定した背景や実装作業のポイント、高い結果が出た理由について、詳しくおうかがいしていきます。
獲得系の広告主にはCAPI導入を“特に強く推奨”
MZ:改めて、SpartyさんがCAPIの導入前に持っていた懸念について教えていただけますか。
坂口:何が起こるかはっきりわからないという点が一番心配でした。これまでの経験からも、最適化の有無で効果がかなり変わることを実感していたので、それがなくなってしまうとするとどうなるか、不安がありました。
しかし先に申し上げた通り、これまでInstagramの広告で事業を伸ばしてきたため、考えられる対策はすべてやっていきたいと思っていたんです。そのようなときに、CyberACEさんからCAPIの導入を勧めていただきました。
杉山:坂口さんがおっしゃるように、Cookie規制がどのような影響を及ぼすのかはっきりと見えていないため、中長期的な投資にあたるCAPIの導入という意思決定に二の足を踏んでしまう、という声は少なくありません。ですが、Cookieをベースとしたデータの連携に欠損が発生することは確実で、既に影響が出始めていることを弊社でも確認しているため、特に獲得系の用途で広告配信しているクライアント様には導入を強くお勧めしている状況です。
希代:この「サーバー間でデータを連携して、広告の最適化を進める」というアプローチは3年ほど前から進めていて、すでに様々な事例で効果が確認できています。そのため弊社としても、「早急にやりましょう」とこれまで以上に強く推奨するようになりました。
今回のSpartyさんとCyberACEさんとのお取り組みは、高いパフォーマンスが出たことに加え、導入もスムーズに進んだ理想的なケースでした。2つのポイントがあったと考えており、それぞれご紹介したいと思います。