ネットレイティングスは、インターネット利用動向調査の2008年4月のデータを公開。発表された資料によると、家庭でのウェブ総利用時間は9億2900万時間で、前年同月の7億8994万時間から、約18%増加している一方、総ページビュー数は前年同月比で3%減の804億PVにとどまっている。2006年までは総利用時間と総ページビュー数は連動して増加していたが、ここへ来て新たな動きを見せているようだ。
ネットレイティングスはこの状況を、ストリーミング、フラッシュなどのリッチコンテンツやAjaxなど、クリックを減らす技術の普及が進み、1ページに滞在する時間(利用時間)が長くなっていることを反映した結果と分析している。1人あたりの月間平均ページビュー数は2006年3月の2,077PVをピークに減少傾向を続け、2008年4月には1,667PVまで下降。ほぼ4年前の水準となっている。
ネットレイティングスの代表取締役社長兼ニールセン・オンラインチーフアナリスト萩原雅之氏は「インターネットの利用動向に新たな変化が起きている。ウェブサイト価値のベンチマークとして、ページビュー指標だけでなく利用時間指標もあわせて利用することはますます重要になる。ネット広告媒体にとって総ページビュー数の減少は収益機会の低下にもなりかねず、露出時間に連動した料金体系やインプレッション単価の引き上げが差し迫った課題になりそうだ」と述べている。
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