※本記事は、2022年1月25日刊行の定期誌『MarkeZine』73号に掲載したものです。
「他人軸」から「自分軸」へ Z世代の根底にある価値観
(左)株式会社MERY 執行役員 CBO(チーフブランドオフィサー)/
クリエイティブディレクター 斉田裕之氏2007年に博報堂入社。2021年4月から現職。MERYの事業イノベーションとリブランディングを行いながら、同時に様々な企業のマーケティング/クリエイティブにも携わっている。新聞広告賞大賞、JAAA広告論文賞、ACCなど受賞。
(右)株式会社MERY 『MERY&』コミュニティマネージャー 兼ビジネスプロデューサー 木綿裕美氏
デジタル総合広告会社のプロデューサー、女性WEBメディアの編集者・広告制作ディレクターを経てMERY編集部にジョイン。現在は、MERY公式有料コミュニティ「MERY&」の立ち上げ・運営、企業のマーケティング課題解決を担当するブランドプロデューサーとしても活躍中。
MERYは20代を中心とした若年層のコミュニティメディア/事業プロデュース企業として、日々Z世代と向き合っています。その中でも現在特に力を入れているのが、「MERY&」というオンラインコミュニティの運営です。同コミュニティは、所属メンバーそれぞれが好きなことを共有し合い、自分らしい一歩を踏み出すお手伝いをする場所です。
長らくZ世代を研究していく中で、同世代には「自分アップデート」というインサイトがあることが見えてきました。たとえばZ世代に対して「自分たちを象徴する一言を書いてください」とアンケート調査をすると、圧倒的に多いのが「自分らしさ」という言葉です。
社会やトレンドなど第三者が生み出した「憧れ」へ魅力を感じる時代から、「推し」という自分目線で選んだものを突き詰めていく時代に変わり、他人からどう見られるかではなく、自分らしさの体現として好きなものを探究する生き方が好まれるようになってきているのです。
こうした価値観の背景にあるのは、学校教育の変化です。学校生活の中で「主体的・対話的で深い学び(Active Learning)」が導入されたり、ダンスの授業が必修化されたり、Z世代は“自己を表現すること”が当たり前の教育を受けてきています。結果として、「自分を軸にすべてを始めていく」そんな発想がこの世代の根幹にあります。
こうしたZ世代の特徴を、MERYでは「1.『他人目線』から『自分目線』へ」「2.『キャリア志向』から、『自分アップデート志向』へ」「3.『憧れ』から『共感』、そして『つながり』へ」という3つのキーワードでまとめています。