※本記事は、2022年1月25日刊行の定期誌『MarkeZine』73号に掲載したものです。
「メンズコスメ」というカテゴリーが伸びているわけではない
株式会社アイスタイル @cosmeリサーチプランナー
(左)西原羽衣子(にしはら・ういこ)氏/(右)原田彩子(はらだ・さいこ)氏@cosmeを運営するアイスタイルにて、美容市場における生活者の深い理解を目指し、@cosme会員組織を活用したマーケティングリサーチの実施、および@cosmeに蓄積されたクチコミをもとにユーザー特性や商品特性の調査分析を行う。読売新聞、日経MJ、日経TRENDY、光文社「bis」等、新聞・雑誌媒体への協力・出演や、宣伝会議等のセミナー講演、化粧品メーカーのPRイベント登壇、ラジオ出演等、多岐にわたって生活者の消費傾向・トレンド情報の発信に携わる。
――まずメンズコスメ市場の最新動向について教えてください。
原田:経済産業省生産動態統計調査を見てみると、「男性化粧品(男性皮膚用化粧品)」というカテゴリーは、昨年と比較して大きく伸長しているわけではありません。ただ、たとえばナチュリエのハトムギ化粧水や無印の化粧水など「男性化粧品」というカテゴリーに属さない化粧品を購入する男性が増えており、その結果、市場が伸びていると考えられます。
@cosmeでも、サイトを見に来てくださる男性比率は少しずつ増えてきています。積極的にクチコミを投稿したり、アンケートにポジティブに協力してくださったりする男性の割合はまだ少ないですが、その限られた一部の男性ユーザーにアンケートを実施したところ、「コロナによって美容への意識が高まった」と回答する方が多く、コロナ禍が市場の成長の後押しになっていることがわかります(図表1)。
ただし、美容への意識は年齢による差が大きく、10~20代の意識が最も高く、年齢が上がるにつれて関心度は下がっていきます。40〜50代の美容意識も高まってはいるものの、若年層より比率は低く、「年齢格差」が生まれていることは意識しておくべきポイントです。