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特集:2022年の消費者インサイト

メンズコスメヒットの裏にあるインサイト――ジェンダーの視点をブランドはどう取り入れるべきか

ブランド・企業はどう活かしていくべきか

――ここまでお話しいただいた変化を、企業・ブランドは今後どう活かしていくべきでしょうか?

原田:繰り返しになりますが、年齢による違いは結構大きいです。そのためどの年齢層をターゲットにするのかによって、コミュニケーションは変えていく必要があると考えます。若い人向けにはジェンダーレスの方向で行くほうがフィットしていくと思いますし、かといって実際人口の多い40代以上も無視できない存在ですので、並行して「男性」「メンズ」という言葉をできるだけ使わないながらも、やはりその人たちの特徴に合っていることをメッセージとして入れていく必要があるでしょう。

西原:正直、商品開発を根本的に変えないといけないことはありません。本日「ジェンダーレス」をキーワードとして挙げましたが、男性も女性も「ジェンダーレス」の商品を求めているわけではなくて、突き詰めてしまえば、男性も女性も「自分に合ったものを使いたい」と思っているだけです。

 ただ流れとして、この先企業のモラルとして、SDGsやジェンダーの開放、平等性というものをコンセプトとして使うブランドは増えていくでしょう。ブランドとして「新しさ」や「若年層への理解」を打ち出したい場合には、ジェンダーレスという訴求が重要になってくるのではないでしょうか。ただ、これもやはり過渡期だからこその訴求で、ゆくゆくはそのメッセージが基準になることもなくなる時代が来るでしょう。

 また先ほど、シンプルなデザインの人気が高まっているという話もしましたが、もちろんそういったものを好む方々ばかりではなく、可愛らしいデザインを好む方もいるため、デザインを単純にシンプルにすれば良いというわけでもありません。いわゆる女性らしいデザインが否定されるのではなく、これからは男性が女性らしいデザインのものを持っていてもおかしくはない時代になっていくべきだと考えます。

 ただ、開発する側も訴求する側も、「使用するのは女性なんだ」という思い込みからは脱却する必要があるでしょう。そういった思い込みは細かいところから生活者に読み取られ、「視野が狭いな」と思われてしまうので、マインドチェンジは必要です。

原田:企業として、当たり前に女性のモデルを起用するのではなく、伝えたいメッセージに合わせてモデルの起用を検討するべきだと思います。食器・洗濯洗剤のCMなども昔は女性が起用されていましたが、今は男性が当たり前に起用されていますよね。コスメや美容関連でも、それと同じで女性に限定しないことが大事です。

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/01/26 08:30 https://markezine.jp/article/detail/38178

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