なぜユーグレナがサウナプロジェクトを?
MZ:最初に御社について教えてください。
北見:当社は微生物のユーグレナ(ミドリムシ)の可能性にフューチャーし、東大発のベンチャーとして創業しました。2020年に創業15年を迎え、飲料・サプリメント「からだにユーグレナ」シリーズのほか、化粧品、バイオ燃料、遺伝子解析など、バイオテクノロジーを活用した事業を展開しています。
MZ:早速、今回の「からだにユーグレナ サウナプロジェクト」についてうかがいます。これはどのような取り組みなのでしょうか?
北見:いわゆるサステナブルな健康を目指すことを考える場合は、瞬間的な健康法でない、“継続的な健康のための習慣”が必要です。そんななか、ユーグレナとサウナの習慣的な類似性(無理せず毎日続ける)を見出し、より身近なサウナ習慣を広げるプロジェクトとしてスタートしました。
第1弾では、無理をしない気軽なサウナの入り方を提案する「サステナブルととのうのススメ」を発表。また、サウナと「からだにユーグレナ」を楽しむ様子を伝えるムービーも公開しました。第2弾では、自由が丘の銭湯「みどり湯」にて、先着1,000名に「からだにユーグレナ フルーツグリーンオレ」の無料配布する「 #ユー活 1000人体験」や、ポスター掲出などを実施しました(プロジェクトサイト)。
MZ:今日も自由が丘の銭湯「みどり湯」さんにお邪魔しての取材ですが、なぜ、御社がサウナに関するプロジェクトを?
北見:私自身が10年来のサウナー(サウナ愛好家)という背景もあるのですが(笑)、せっかくの機会ですので、プロモーション上の狙いについて、説明させていただきます。
私は広報宣伝部の部長として、各製品のプロモーション計画を策定していますが、高い頻度でコミュニケーションを続けるために、さまざまな切り口を用意することを、その大きな方針としています。
今回のプロジェクトでPRしている「からだにユーグレナ」シリーズでは、“59種類の栄養素が入っているユーグレナが、おいしいドリンクをだしている”というプロモーションにおける基本要素がありますが、そのほかの機会にもいろいろな方法で、商品の良さを伝えています。たとえば「sio」鳥羽周作シェフとの「ユーグレナ あとはおいしくするだけプロジェクト」では、新商品の開発やレシピ開発の様子を継続的に発信してきました。
背景には、プロモーションのあり方の変化が
MZ:サウナプロジェクトは、いろいろな切り口から商品の魅力を伝えていく取り組みの一環だったのですね。
北見:はい。従来の企業のプロモーションは、年に数回大型キャンペーンを行って大きな盛り上がりを作ることが多かったですが、今はプロジェクトが進行していく過程も細かく見せながら、継続的にコミュニケーションをしていくほうが、より応援してもらいやすくなっていると思います。プロセスエコノミーも、その一つのあり方ですよね。
「からだにユーグレナ」を飲んでいただくタイミングとして、サウナや銭湯の後、というのもよく合っているんです。ユーグレナは藻の一種のため、独特の風味があるのですが、健康食品としてではなく、ドリンクとして美味しく飲んでいただけるよう、改良を重ねてきました。社内で「フルーツ牛乳のように冷やして飲むといいね」という素朴にも思えるエピソードを拡大解釈していき、実施に至りました。
対面ができない中、クリエイティブで商品への愛を伝える
MZ:プロジェクトでは、動画やポスターといったクリエイティブにも力を入れています。「商品を知ってもらう目的だけなら、無料配布のみでも良いのでは?」と思いましたが、どんな理由があるのでしょうか。
北見:どうしたらお客様といっしょに盛り上げていけるかを追求していった結果、さまざまな場面で楽しんでもらえるようにクリエイティブの種類を仕掛けることが必要だと考えました。
プロモーションの仕事では、商品開発の担当者がもっている熱量や愛を、しっかりと伝えていくことも必要だと思っています。従来型の手法では、多くの人が集まる場で配布を行うことで、お客様に直接伝えることができていましたが、コロナ禍で状況が変わりました。では、どうしたら商品への愛を伝えられるかを考えたとき、本気で「おいしい!」という表情を捉えたムービーや、サウナと「からだにユーグレナ」の楽しみ方を伝えるイラストの制作で代替することが浮かんできたんです。