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特集:サブスクリプションの現在地

“好き”の発見からライフパートナーへ。日本展開5周年を迎えたSpotifyの今後

 2016年に日本におけるサービス提供を開始したSpotify。リリース以来、さまざまな機能アップデートやコンテンツ拡充を重ねてきた。近年、ユーザーとの関係は新たなフェーズに突入しているそうだ。日本におけるサブスクリプションビジネスの先駆者と言える同サービスの現在とこれからを探った。

※本記事は、2022年2月25日刊行の定期誌『MarkeZine』74号に掲載したものです。

ライフステージに合わせた使い方を提案

スポティファイジャパン株式会社 マーケティング統括
井原 舞(いはら・まい)氏
 
米国アパレルブランドのOld NavyやコスメブランドのBare Escentualsにおいて、アジア圏におけるビジネスの拡大やマーケティング活動をサンフランシスコを拠点に推進した後、2016年10月にスポティファイジャパンに入社。日本におけるSpotifyのブランド活動やマーケティング・プロモーション戦略などを統括。

――日本でのリリースから5周年を迎えました。サービスを取り巻く状況にはどのような変化があったのでしょう?

 サービス開始当初は熱心な音楽ファンを中心に、海外の情報に敏感な方、テクノロジーに関心が高い方などに主にご利用いただいていましたが、現在はユーザー層が広がっています。2019年頃からはポッドキャストなど音声コンテンツの配信に力を入れてきたこともあり、音楽以外にも、さまざまな楽しみ方をしていただいていますね。日本単独の数字は発表していませんが、現在184の国と地域で、1億8,000万人の有料会員(以下、プレミアムプラン)を含む4億600万人のユーザーが利用するサービスへと成長しています。

 新たなお気に入りの発見に魅力を感じていただける方が多い一方、音楽ファンの方々から特に評価をいただいているのは、アーティストとのつながりを深められる機能です。たとえばお気に入りのアーティストが開催するライブの場所と日時を確認し、そのままライブチケットを購入できる機能や、ボーカルの音量を下げて一緒に歌える「シンガロング(SingAlong)機能」などを拡充してきました。

 新型コロナウイルスの流行にともない、利用傾向にも変化が起こっています。以前は通勤時間などによく利用されていたのですが、おうち時間が増加した結果、一日中、いわゆる“ながら聴き”をしている様子が見られています。

――より長い時間、多様なコンテンツを楽しんでもらえるプラットフォームになっているということですね。

 はい。サービスとしても、“好き”を発見できる場所であることに加え、ユーザーの生活に寄り添っていくライフパートナーのような存在を目指しています。Spotifyの強みは独自の機械学習によるレコメンドですが、使い続けてデータが蓄積するほど、その精度も上がっていきます。長く付き合う中で、なくてはならない存在と感じていただけているのだと思います。

 そうした状況を踏まえて、ライフステージに合わせた使い方を提案すべく、2人で使用できる「Duo」や最大6アカウント・子供向けアプリも利用可能な「Family」といった新プランを用意しています(図表1)

図表1 Spotifyのプレミアムプラン一覧(2022年1月時点)
図表1 Spotifyのプレミアムプラン一覧(2022年1月時点)

 実際に生活の変化に合わせてプランを変更したり、無料プランとプレミアムプランを行き来されたりする方もいらっしゃいます。

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/02/28 07:30 https://markezine.jp/article/detail/38363

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