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特集:サブスクリプションの現在地

“好き”の発見からライフパートナーへ。日本展開5周年を迎えたSpotifyの今後

ポッドキャスト人気コンテンツの2つの特徴

――先ほどポッドキャストへの言及がありましたが、どのような経緯で注力されるようになったのでしょうか。

 Spotifyはオーディオ(聴覚で楽しむ)コンテンツの力や可能性を確信しており、2019年から世界中でポッドキャストを中心にこの分野に本格的に力を入れ始めました。特にポッドキャストには大きく投資し、コンテンツの強化やクリエイター支援を行っています。こうした中で、ライトな音楽リスナーや音声コンテンツに興味のある方にもSpotifyを使っていただきたいと思っています。ユーザー層の幅は狙い通りに広がっていますし、「好きなアーティストの音声コンテンツを聴きたい」「ポッドキャストで知ったアーティストや音楽を聴きたい」など、ポッドキャストと音楽の間に回遊性も生まれています。

――どのようなコンテンツが人気を集めていますか。

 2019年当時は、以前から多かったニュースや英語学習といった番組がよく聴かれていましたが、最近は幅広いジャンルの番組やたとえば音声ドラマのような新しいエンターテインメントも人気を得ており、コンテンツが多様化してきたのを感じます。Spotifyとしても、音声の可能性をさらに追求したい、音声に関心をもつクリエイターの後押しをしたい、という想いがあったため、これはよい流れだと捉えています。

 ポッドキャストで特に人気のあるコンテンツには、いくつか特徴もあるようです。たとえば、特定の分野やテーマについて深掘りし、興味を探究できるようなもの。歴史をテーマとした「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」などがその代表かもしれません。また、元々強いファンダムを持つようなコンテンツも人気です。アニメ「呪術廻戦」の裏側を声優さんたちが語る「呪術廻戦じゅじゅとーく」は多くの方に聴いていただいており、最新エピソードが公開されるたびにSNSで大きな話題になります。

プロモーションは認知拡大から、ブランド価値観の浸透へとシフト

――プロダクトの改善を重ねる一方で、さまざまなプロモーションも行われてきました。

 プロモーションは2020年以前と比べて、大きく転換した部分です。2016年のサービス開始以来、多くのユーザーに利用いただき、成長してきました。ある程度、日本の皆さんにもSpotifyの存在や楽しさを知っていただけたのではないかと考えています。そのためプロモーションの目的も、これまでの認知拡大から、“ブランドの持つ価値観を伝える”というフェーズへと変化していると認識しています。

――具体的には、どんなことを意識されていますか?

 ブランドの価値観を伝え共感を得るのは、他ブランドとの差別化が最も大切になってきます。我々を他とは違う存在たらしめているのは何か考えると、それは創業時から一貫して掲げ取り組み続けている、Spotifyのミッションだと考えました。Spotifyのミッションは「大勢の才能あるアーティストやクリエイターが作品への対価を得るとともに、たくさんのファンがその作品を楽しみ、インスピレーションを受けることによって、人間のクリエイティビティを解き放つこと」です。アーティストとクリエイターに寄り添い、彼らがリスナーとつながることができるように一貫して取り組んでいるブランドであることを改めて知っていただきたいと考えました。

 2021年は「すべては音から始まる」をテーマに、次世代を担うアーティストとコラボしたテレビCMやSNSでのビジュアル広告を展開。また年末にはEveさんとコラボしたSpotifyまとめ/プレミアムのテレビCMも放映しました。このように、オーディオ専業のストリーミングサービスであるという独自の立ち位置を活かし、音の持つ価値や魅力にスポットを当てたコミュニケーションを行いました。

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サブスクリプションの良さは「生活に寄り添えること」

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/02/28 07:30 https://markezine.jp/article/detail/38363

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