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MarkeZine Day 2022 Spring

【ワークシート付】正攻法の“逆張り”でブランド体験を構築する新思考法「PJMメソッド」入門解説

 情報過多の現在、マーケティングや広告でブランドをアピールすることは容易ではなく、また商品やサービスのスペックが高止まりした状況下では差別化を図ることすら難しい。さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、生活者の行動は大幅に変化した。こうした状況下では、時代に即した新たなマーケティングのアプローチを試みる必要があるのではないだろうか? MarkeZine Day 2022 Springのオープニング講演に登壇した博報堂/SIXの藤平達之氏は「現代のマーケターが知っておきたい新しい思考法」と題し、自身が考案した「PJMメソッド」を紹介。生活者に「愛されて尊敬されるブランド体験」を設計することの重要性を説いた。

現代マーケターに必要な思考法「PJMメソッド」ってなんだ?

 博報堂グループで戦略CD/UXデザイナーとして活躍する藤平達之氏が考案した「PJMメソッド」の超基本部分を、本人自ら解説した本セッション。冒頭で藤平氏は、PJMメソッドの定義を次のように紹介した。

株式会社博報堂 ストラテジック・クリエイティブ・ディレクター/株式会社SIX UXデザイナー 藤平達之氏
株式会社博報堂/株式会社SIX ストラテジック・クリエイティブ・ディレクター 兼 UXデザイナー 藤平達之氏

 「ブランドの存在意義と生活者に対する想像力を掛け算して、『パーパス起点のアイデア』を開発するアプローチ。博報堂グループの中では、PJMメソッドをこのように定義しています。このアイデアというのは、クリエイティブや表現に関するものだけではなく、戦略や事業、DXなどにも通じるものです。日々の業務の中で行き詰ったり、困ったりした時に、第2のルートとして使える“思考法”であり“考え方”であると捉えていただければと思います」(藤平氏)

PJMメソッドとは?

「パーパス(P)」「ジョブ(J)」「モーメント(M)」にフォーカスし、UX(顧客体験)を開発する実践型のアプローチ。Pで「ブランドの存在意義」を定め、JとMで「リアルな欲求・瞬間」を明らかにする。その先にブランドが提供するべき、新たな価値と顧客体験を創造する、藤平氏が考案したマーケティング手法である。

  この講演ではPJMメソッドを「現代のマーケターに必要な新しい思考法」としているが、なぜ今この新しいアプローチが必要なのか?

 藤平氏はその背景について、「増えすぎたブランドや高止まりした機能/スペック、そして新型コロナウイルスがブランドの生存戦略を変化させている」と、今日の企業を取り巻く現状を指摘。名著と言われるブランディング理論は多数あるが、それらはいずれもその当時の環境下に即した形で生まれたものだ。「外部環境が激変している中、これまでと同じアプローチでブランディングをしていていいのだろうか?」という自問自答から、導き出したメソッドであることを説明した。パッと閃くようにして生まれたのではなく、世の中の変化やデータをもとに開発されたメソッドであるということだ。

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この記事の著者

鈴木 恭子(スズキ キョウコ)

 東京都出身。週刊誌記者などを経て、2001年IDGジャパンに入社。「Windows Server World」「Computerworld」などの記者・編集を経て2013年にITジャーナリストとして独立。主な専門分野は組込系セキュリティ。現在はIT(Information Technology)とOT(Opera...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/04/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/38571

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