イベント性の高いプロモーションやシーズナル訴求と相性抜群
MZ:どのようなニーズを持つ企業がTwitterライブショッピングを活用すべきだとお考えですか。
武者:Twitterライブショッピングは、ほかのライブコマースのようにコツコツLTVを高めていくコミュニティ型というより、瞬間を捉えてパルス的に盛り上げるお祭りのような、イベント性の高いプロモーションに向いていると思います。○○の日やクリスマスなど、シーズナルな訴求には最適ですね。お祭り好きな日本人にぴったりのプロダクトではないでしょうか。
武者:Twitterライブショッピングを活用すると、企業は参加型の企画も実施しやすいでしょう。たとえば事前に「ライブイベントに関わるツイートは、このハッシュタグをつけてね」と告知しておけば、皆で盛り上がれますし、過去に実施したキャンペーンをまとめておくこともできます。
またフロー型のTwitterは投稿がタイムラインに流れるため、視聴者数の増加も期待できます。お祭りに参加しているノリで商品を購入する人もいるでしょう。この性質から、どちらかというと高額商品よりも手頃な価格帯の商品のほうが相性は良いと思います。
諌山:“話題化”はTwitterの特徴ですよね。アメリカではセレブリティや有名人を起用して大きなトレンドを生み、結果としてブランドの認知を上げた事例もあります。フルファネルで認知獲得から購入まで持っていくことができるのです。「そのブランドにはそこまで興味がなかったけれど、起用されている有名人には興味がある」という人たちにもアプローチできています。
述べ33万人以上が視聴したQoo10のテスト運用
MZ:日本での正式リリースに先立ち、eBay Japanが運営するオープンマーケットプレイス「Qoo10」とのテスト運用を実施されたそうですね。
諌山:Qoo10ではこれまで、ショッピング機能はついていない「Twitterライブ」という別のプロダクトを活用いただいていました。Twitterライブを通してオリジナル番組を何度か配信する中で「Qoo10を好きな利用者はK-POPや美容に興味がありそうだ」というインサイトを発見し、このインサイトに基づいて2022年3月にTwitterライブショッピングでライブショッピングを実施。K-POPと関連性が高い韓国のスキンケアブランド「魔女工場」の商品を販売いただきました。
武者:結果、大成功でしたね。延べ33万1,000人が視聴し、Qoo10に関するTwitter上の会話量はライブ中に期間平均会話量の約4倍まで達しました。魔女工場の限定セットはQoo10総合ランキングの1位と2位にランクイン。多くの視聴者を獲得するだけでなく、購買にも効果的に誘導できた好例です。アーカイブ動画がシェアされたり、タイムラインに残ったりするところを見ても、反響の大きさを感じます。
MZ:成功の鍵はどこにあったと思われますか?
諌山:ライブショッピングを開催する前から、パーセプションを地道に獲得する目的でリツイートキャンペーンなどを実施した点にあると思います。Twitterでライブをいきなり開催するのではなく、盛り上がりをある程度計算して作った上で本番に臨むとより効果的ですね。
武者:番組構成もポイントです。セレクトした商品をただ順番に紹介するのではなく「今何個売れました」とアピールしたり、購入タイムを設けたりするなど、イベント性を高めるように工夫。本番中も「買ったよ」ツイートをした人にプレゼントを進呈するなど、その場で買うメリットを持たせていました。