診断コンテンツは「コンバージョン」施策にも効果的
では実際に「診断コンテンツ」を成果につなげる活用方法とは、どのようなものか?
前提として、マーケティングにおける診断コンテンツの活用範囲は広い。一般的によく知られているのは、BtoCのSNSキャンペーンやBtoBでのコンテンツマーケティングとして常設的に設置されるものなど、ユーザーに商品を認知させ興味関心を持ってもらうプロモーションのフェーズで活用するパターンだ。
しかし、実は、購入ボタンやECサイトへのリンク、会員登録、問い合わせなどコンバージョンのフェーズでも診断コンテンツは活用されている。成約率が3.6倍に上昇した前出の事例も、ホットリードの獲得を目的としたコンバージョン施策としての導入だった。
高い成果を生むポイントは「ユーザーの心理導線」の活用
こうしたコンバージョンのフェーズで診断コンテンツを利用して成果を出すために、最初のポイントになるのはユーザーの心理導線の活用だ。
「まず重要なのは、ユーザーに自分ごと化してもらうためにターゲット設定を絞ることです。たとえばブライダル系の事例ならば、『結婚したい人』と大きく設定するのではなく、『コロナ禍で結婚式を挙げられなかった人』というように絞っていく。より狭いターゲット設定のほうが、ユーザーは『自分に言われている』と捉えやすくなり、診断コンテンツへの参加率が上昇します」(中村氏)
そこから、設定したターゲットが知りたいであろうことを複数挙げて、中身を検討していく。ターゲットは何に悩んでいるのか、客観的情報として得たいものは何か、望んでいる自己像はどんなものか? そこから最大の問いを見つけ出し、最終的に「ユーザーは何を診断されたいのか」を決定、つまり診断コンテンツの企画を作っていく。
企画で策定した「◯◯タイプ診断」というタイトルを目にして「自分のことだ!」とユーザーが感じると、自分自身の課題を認識するきっかけが生まれる。あまり自覚していなかったが悩んでいたこと、考えなければいけないけれどつい後回しにしていたことに気づき、「知りたい」という気持ちが働く。