デサントジャパンがSEO改善を決断した理由
直営店だけでなく、ECサイトなどD2Cビジネスを強化しているデサントジャパン。しかし、社名やブランド名で検索した際に自社の公式ECサイトよりも大手ECモールが上位にくる、自然検索で1位を取得しているキーワードにリスティング広告を同時出稿しているといった課題を抱えていた。そこで同社は、これらの課題解決と全体の最適化を目指して、SEO改善を決断したという。
SEO強化の背景・課題感
1.自社名を含むキーワードで、自社EC以外の大手モールサイトが1位を獲得している
→外部サイトに流れ、D2C比率低下を招く
2.ランクインしているが、目的としたページではないケースが存在する
→購入意欲の高いユーザーの離脱を招く可能性
3.通常検索結果で1位を取っているキーワードでもリスティング広告を出稿している
→リスティング広告戦略を再検討する上で、通常検索結果部分の最適化も必要
本講演ではデサントジャパンの改善事例を踏まえ、Speeeの藤井氏がSEO改善の戦略立案から実際の運用のポイントまで紹介。まず、SEOに取り組む4つの利点を解説した。
SEOの4つのメリット
1.アプローチ品質の高さ
2.カバー領域の広さ
3.ROI(投資利益率)の良さ
4.法規制の影響を受けにくい
1番目は「アプローチ品質の高さ」だ。「検索を行っているユーザーは、そのキーワードに関心があり能動的に何かを知りたいという状態です。この関心が高い時に適切な情報を提供できれば、ユーザーの高いエンゲージメントを得られます」と藤井氏。すなわち、ユーザーの関心が一番高い瞬間である検索した時(=アプローチ)にSEOの効果で上位に情報を表示できれば、ユーザーと深いつながりを構築できる。
2番目は「カバー領域の広さ」。ユーザーの購買行動における最初(認知)から終わり(購買)まで、検索行動はついて回る。そのため、検索で上位を獲得できれば幅広くユーザーに訴求できる。
3番目は「ROI(投資利益率)の良さ」となる。一般の広告と比べ、SEOは導入当初はコストが多めにかかるものの、それ以降は効果が上がってきても低コストだ。よって最終的にはROIは高い、つまり割安だといえる。
そして最後は「法規制の影響を受けにくい」点だ。個人情報保護法の影響で、ネット広告への規制は高まっている。対してSEOはサイトそのものへの創意工夫なので、法規制や外部の影響を受けにくい。
SEO改善にはこれらの利点があり、デサントジャパンが改善の決断を下す後押しとなった。