少子化にも関わらず、ベビー用品・関連サービスの市場規模は微増
少子化が叫ばれ久しい現在の日本では、2022年の出生数は80万人を割る予測です。このような情報だけを見聞きすると、子どもに関する商品やサービスを販売している企業は経営が苦しいだろうなと感じる人も多いのではないでしょうか。
ところが、矢野経済研究所が発表した「ベビー用品・関連サービス市場に関する調査」によると、年々市場の規模自体は微増していることがわかります(図表1)。技術の進展による新サービス参入の影響もありますが、市場自体が拡大していることは少子化に反し特筆すべき事象です。
「紙おむつ」購入時の情報源は、テレビCMよりも口コミが有力
子育てに関する商品やサービス、特にベビー用品・サービスはアプローチ対象が明確で、乳幼児を育てるママ・パパが中心となります。だからこそ、経営者やマーケティング担当者に声を大にして言いたいのが、「本当に投資対効果を考えていますか」ということです。
たとえば、図表2は「紙おむつ」を購入する際にママが参考にする傾向のある情報源を示しています。紙おむつと言えば、テレビCMでよく見かけるイメージを持つ方もいるでしょう。
しかし、実際はテレビCMなどの広告より上位に「インターネット」「店頭」「口コミ」が挙がっています。テレビCMを否定するわけではありませんが、「他商品に比べ口コミが上位に挙がることが紙おむつの特徴」という事実に目を背けないことは大切です。
もちろん、テレビCMには効果測定値では見えない影響もあると思います。しかし、技術の進展とともに非効率なマーケティング費用を費やす必要がなくなってきた現在、投資対効果を強く意識した施策立案が重要です。