ユーザーの興味関心に応じて掲載面を選択できる媒体
MarkeZine編集部(以下、MZ):日本におけるTikTokのユーザーグロースを統括している邱さんですが、現在はどのような戦略を描いているのでしょうか。
邱:エンターテイメントプラットフォームとして、幅広いユーザーに多様なコンテンツをお楽しみいただくことを目的に、日々施策を行っています。具体的には、広告や友達招待マーケティング施策、チャネルパートナー・IPクリエイティブパートナーなど様々なパートナーとの取り組みです。また、プロダクトのローカライズにも取り組み、日本国内のユーザー獲得・リテンションを図っています。
MZ:広告はどのような媒体に出稿しているのでしょうか。
邱:デジタル、マス問わず幅広い媒体に出稿しています。デジタルに関してはヤフーやSNSなどの各プラットフォーム、アドネットワーク広告に出稿し、TikTokの投稿で使えるオリジナルエフェクトやTikTok LIVE、アプリ内イベントや様々な機能に関する訴求を行っています。また、TikTokの人気クリエイターの方にご協力いただいて、TikTokに投稿されているコンテンツそのものをクリエイティブとして広告配信しています。
また、マス広告でも様々な媒体を活用していますが、少し前には友達招待マーケティング施策を訴求する新聞広告を出稿しました。その他にもラーメン店とコラボレーションするなど、多様なタッチポイントでTikTokとの接点を作っています。
MZ:そのような戦略の中で、Yahoo!広告はどのような役割を担っているのでしょうか。
邱:TikTokは幅広いユーザーに受け入れられており、ユーザーにもたらす喜びと感動も多種多様です。ヤフーはYahoo! JAPANをはじめ約100のサービス(※1)を持つので、ユーザーの興味関心に応じて掲載面を選択することができる出稿先だと感じています。また、ヤフーのサービス以外でも、LINEなどZホールディングスグループで様々なサービスを展開しており、我々がアプローチしたい「TikTokをまだインストールしていない層」を多く含有しています。
そのため、リスティング広告からディスプレイ広告、純広告まで様々なメニューを活用しています。
TikTok事例に学ぶ、アプリ広告の活用のポイント
MZ:直近ではヤフーのアプリ広告の活用に力を入れていると聞いています。どのように活用しているのでしょうか。
邱:重視しているのは、ターゲティングとカスタムオーディエンス配信です。
「ターゲット設定(除外)」機能を活用し、既存ユーザーと思われる方への配信を除外しています。非常に精度が高く、純粋な新規ユーザーの獲得につながっています。
そして、カスタムオーディエンス配信では、ヤフーの豊富なビッグデータを活用できるため、精度が高いです。獲得できるユーザー層も幅広く、様々なセグメントで効率よく広告を配信できています。
また、カスタムオーディエンス配信では、クリエイティブと相性の高いユーザーリストを抽出して配信しています。これらの機能によって、予算の最適配分とCPIのコントロールが可能になりました。
MZ:これらの機能を活用して配信する広告では、どのようなクリエイティブを使っているのでしょうか。
邱:動画、静止画レスポンシブ広告タイプに加え、直近ではカルーセルの活用に力を入れています。ヤフーの担当者の方にサポートいただき、4つのクリエイティブを、ストーリー性を意識した構成にして検証しました。常にCTR、CVRを高めるカルーセル画像の順番を分析し、最適な組み合わせで配信できるようにクリエイティブのPDCAを回しており、結果、CTRとCVRの高い「勝ちクリエイティブ」を見つけ出すことができました。iOSでは出稿の33%がカルーセルになっています。