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Yahoo!広告活用の今を追う(AD)

カルーセル広告のCPIが20%低下!TikTokの事例から学ぶ、ヤフーのアプリ広告活用

 Yahoo!広告では、アプリのプロモーションを目的とした広告(以下、アプリ広告)に力を入れている。そして、TikTokは現在、Yahoo!広告のアプリ広告を活用して高い成果を上げているという。本記事ではTikTok Japanの邱開洲氏からYahoo!広告の活用事例について、ヤフーの小西雅永氏からヤフーのアプリ広告を活用するポイントについて聞いた。

ユーザーの興味関心に応じて掲載面を選択できる媒体

MarkeZine編集部(以下、MZ):日本におけるTikTokのユーザーグロースを統括している邱さんですが、現在はどのような戦略を描いているのでしょうか。

邱:エンターテイメントプラットフォームとして、幅広いユーザーに多様なコンテンツをお楽しみいただくことを目的に、日々施策を行っています。具体的には、広告や友達招待マーケティング施策、チャネルパートナー・IPクリエイティブパートナーなど様々なパートナーとの取り組みです。また、プロダクトのローカライズにも取り組み、日本国内のユーザー獲得・リテンションを図っています。

TikTok Head of User Growth-North East Asia 邱 開洲氏
TikTok Japan Head of User Growth 邱 開洲氏

MZ:広告はどのような媒体に出稿しているのでしょうか。

邱:デジタル、マス問わず幅広い媒体に出稿しています。デジタルに関してはヤフーやSNSなどの各プラットフォーム、アドネットワーク広告に出稿し、TikTokの投稿で使えるオリジナルエフェクトやTikTok LIVE、アプリ内イベントや様々な機能に関する訴求を行っています。また、TikTokの人気クリエイターの方にご協力いただいて、TikTokに投稿されているコンテンツそのものをクリエイティブとして広告配信しています。

 また、マス広告でも様々な媒体を活用していますが、少し前には友達招待マーケティング施策を訴求する新聞広告を出稿しました。その他にもラーメン店とコラボレーションするなど、多様なタッチポイントでTikTokとの接点を作っています。

MZ:そのような戦略の中で、Yahoo!広告はどのような役割を担っているのでしょうか。

邱:TikTokは幅広いユーザーに受け入れられており、ユーザーにもたらす喜びと感動も多種多様です。ヤフーはYahoo! JAPANをはじめ約100のサービス(※1)を持つので、ユーザーの興味関心に応じて掲載面を選択することができる出稿先だと感じています。また、ヤフーのサービス以外でも、LINEなどZホールディングスグループで様々なサービスを展開しており、我々がアプローチしたい「TikTokをまだインストールしていない層」を多く含有しています。

 そのため、リスティング広告からディスプレイ広告、純広告まで様々なメニューを活用しています。

TikTok事例に学ぶ、アプリ広告の活用のポイント

MZ:直近ではヤフーのアプリ広告の活用に力を入れていると聞いています。どのように活用しているのでしょうか。

邱:重視しているのは、ターゲティングとカスタムオーディエンス配信です。

 「ターゲット設定(除外)」機能を活用し、既存ユーザーと思われる方への配信を除外しています。非常に精度が高く、純粋な新規ユーザーの獲得につながっています。

 そして、カスタムオーディエンス配信では、ヤフーの豊富なビッグデータを活用できるため、精度が高いです。獲得できるユーザー層も幅広く、様々なセグメントで効率よく広告を配信できています。

 また、カスタムオーディエンス配信では、クリエイティブと相性の高いユーザーリストを抽出して配信しています。これらの機能によって、予算の最適配分とCPIのコントロールが可能になりました。

MZ:これらの機能を活用して配信する広告では、どのようなクリエイティブを使っているのでしょうか。

邱:動画、静止画レスポンシブ広告タイプに加え、直近ではカルーセルの活用に力を入れています。ヤフーの担当者の方にサポートいただき、4つのクリエイティブを、ストーリー性を意識した構成にして検証しました。常にCTR、CVRを高めるカルーセル画像の順番を分析し、最適な組み合わせで配信できるようにクリエイティブのPDCAを回しており、結果、CTRとCVRの高い「勝ちクリエイティブ」を見つけ出すことができました。iOSでは出稿の33%がカルーセルになっています。

TikTokのユーザー獲得に貢献した成果の詳細とは?

MZ:ヤフーのアプリ広告を活用したことで得られた成果を教えてください。

邱:配信とクリエイティブの改善を続けた結果、CPIが大きく低下しました。またカルーセル広告に関してはCTRが30%増加し、CPIが20%低下しました。メディア別獲得CV数もヤフーが常にTOP2に入るようになり、我々がターゲットとするユーザー獲得に貢献しています。

CTR/CVR推移

MZ:今後、Yahoo!広告でチャレンジしたいことやYahoo!広告に対して期待していることを教えてください。

邱:今後はYahoo!広告を活用した分析を継続的に行い、日本のユーザーがTikTokに対してどのような機能・コンテンツを求めているのか、顧客理解を深めていきたいです。そして、分析によって得られた示唆をもとにプロダクトのローカライズや新たなユーザー獲得戦略に反映したいと考えています。

左から、ヤフーのZhang Kailu氏、TikTok Japanの邱 開洲氏、張 駿氏

スマホユーザーの8割にアプローチできるYahoo!広告

MZ:ここからはヤフーのアプリ広告の責任者を務める小西さんに今回の事例が成功した要因、そしてアプリ広告の特長をうかがいます。まず、TikTokが今回ヤフーのアプリ広告で成果が出た要因を解説してください。

小西:一番大きな要因は、ヤフーの広告の主な掲出先であるYahoo! JAPANの利用ユーザーと、TikTokの利用ユーザーの相性が良かったからだと考えています。Yahoo! JAPANは、日本のスマホユーザーの約8割にアプローチできる(※2)日本最大級のメディアで、性別や年齢の偏りも少ないため、様々な属性のユーザーにアプローチできます。

 またニールセンの調査で「スマートフォンで他メディアは利用せずYahoo! JAPANのみを利用しているユーザーが多い」という結果が出ている(※3)ように、他媒体との重複が少なく、新しいユーザーに効率よくリーチすることが可能です。そのため、TikTokの「幅広いユーザーにアプローチしたい」というニーズに応えることができたのでは、と思います。

MZ:今回はTikTokの事例を取材いたしましたが、その他にはどのような企業がアプリ広告を活用しているのでしょうか。

小西:TikTokのようなプラットフォーム以外で出稿金額が大きいのはゲームアプリやコミック関連のアプリです。無料・有料どちらのアプリでも活用されていますし、この2つのカテゴリ以外でも様々なアプリで活用されています。様々な業界で活用されているのは、インストール数やCPIだけでなく、その後の起動や課金などのイベントにつながっているためと考えています。

アプリ広告の効果最大化に必要な4つのポイント

MZ:ヤフーのアプリ広告を活用する上で重要なポイントを教えてください。

小西:アプリ広告の効果を最大化するには、入札戦略・ターゲティング、掲載面、クリエイティブ、計測の4点を押さえることが重要です。

ヤフー株式会社 メディアプラットフォーム統括本部 広告プロダクション本部 プロダクト戦略部 部長 小西 雅永氏

 入札戦略・ターゲティングに関しては、自動入札とターゲティング配信を上手く組み合わせて設計するのがポイントです。自動入札では、アプリインストール目的・アプリ内イベント目的(課金・起動・会員登録など)のどちらかを設定するだけで、配信を自動で最適化することができます。現在自動入札の開発にも力を入れていますので、ぜひご活用いただきたいです。

 加えて、広告を訴求したいユーザー層が決まっていれば、デモグラフィックターゲティング、そして、その他のターゲティングでお客様がアプローチしたいユーザー層にもアプローチいただけると、より高い効果が期待できます。

 2つ目の掲載面については、Yahoo!広告にはLINEなど様々なサービスの掲載面が存在するので、Yahoo! JAPAN向けだけでなく、最初は広い範囲で自動入札を活用いただくことをおすすめします。

 3つ目のクリエイティブでは、静止画や動画、カルーセルなど多様なフォーマットの活用が求められます。特にTikTokでも効果の出ていたカルーセル広告はアプリの内容に興味を持ってもらうのに効果的なので、ぜひ実施いただきたいです。

 最後に計測です。多くの計測ベンダーと連携済みでiOSのSKAdNetworkにも対応しています。Yahoo!広告をご利用の際には、計測ベンダーの設定でCV等のデータをポストバックする設定や、ビュースルーCVの計測を行っていただくと、学習によって効果が改善するため、その設定が正しくできているかはチェックしていただきたいです。

 また、これら4つのポイントで不明点や要望があれば、弊社の営業担当に相談いただければと思います。

アプリ広告は今後も注力

MZ:最後に今後ヤフーのアプリ広告がどのような進化を遂げていくのか教えてください。

小西:ディスプレイ広告の中でも、アプリ広告は注力領域の一つです。

 お客様がリーチしたいユーザーに適切に配信できるよう、自動入札とターゲティング機能を強化しており、掲載面や配信フォーマットも拡張しています。また、計測もiOSにおいてはSKAdNetworkに移行する企業様が増えているので、提供するAppleの動向をいち早くキャッチアップして、対応した機能を作っていきたいです。そして、ユーザーのプライバシー保護にも引き続き対応していきます。

※1 ※ヤフー自社調査(2022年3月1日時点)
※2 「Nielsen NetView/Mobile NetView Custom Data Feed」をもとにヤフーが独自に作成
リーチ率:Yahoo! JAPANの月平均アクティブユーザー数/日本の月平均アクティブユーザー数
スマートフォンの月平均アクティブユーザー数:「Nielsen Mobile NetView」 2021年7月~2021年12月の月平均 [Yahoo! JAPAN(ブランドレベル)で集計、スマートフォンからのアクセス(アプリの利用を含む)]
パソコンの月平均アクティブユーザー数:「Nielsen NetView」2021年7月~2021年12月の月平均 [Yahoo! JAPAN(ブランドレベル)で集計、家庭からのパソコンによるアクセス(インターネットアプリの利用を含まない)]
※割合については小数点以下、月間アクティブユーザー数については有効数字上3桁目を四捨五入
※3 Nielsen Mobile NetView 2021年3月データ(ブランドレベル、スマートフォンからのアクセス(アプリの利用を含む))、Yahoo JAPANにて独自集計

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/23 15:35 https://markezine.jp/article/detail/40525