※本記事は、2022年11月25日刊行の『MarkeZine』(雑誌)83号に掲載したものです。
Googleがトライ&キャンセルしてきた事業の歴史
どんな大企業でも、スタートアップでも「一勝九敗」の連続なのは承知の上。それでも企業は、シードラウンドから自社投資で成長したり、M&Aで他社事業を吸収したりしながら成長を繰り返す。ホールディングス機能を保持する親にまで成長したGoogle母体でも同様だ。
Googleの最も顕著な成長トライアルのM&Aは、2006年の約2,000億円(16.5億ドル*)で買収した「YouTube」と、その翌年2007年に約3,700億円(31億ドル*)で買収した「DoubleClick」だった。その後、何か新しい事業や柱が登場しただろうか。あれから約16年、である。
Googleがその事業で世界に貢献した偉大な功績を尊重しつつ、そのGoogleが未だにうまくいっていない事業を筆者が挙げるとすれば、以下の2つ。
- 大赤字を広げている「クラウド事業」(2022年通年での赤字は約4,000億円級)
- 広告の王道である「テレビ広告(CTV広告、プレミアム番組に寄り添う広告)」
Googleをいじめるわけではないが、巨人Googleの外堀と内堀を意識して見ていると、彼らの目指している方向や体質などを理解できて、読者の事業の指針に役立つだろう。下記「Googleが撤退した(取りやめた)事業」を筆者の任意抽出で並べてみた。覚えているだろうか、「Google+」は2019年に、「Google Hangout」は「Google Chat」へ統合して2022年5月にサービスを終了している。
Googleが撤退した事業リスト
2021年(カッコ内は登場年)
- GoogleToolbar(2000年)
- GoogleBookmarks(2005年)
2020年
- GoogleCloudPrint(2010年)
- GoogleStation(2015年)
- GoogleFiberTV(2010年)
2019年
- ChromecastAudio(2015年)
- GoogleAllo(2016年)
- Google+(2009年)
- GoogleURLShortener(2009年)
その他
- Picasa(2002年)
- GoogleTV(2010年)