SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

250万人規模のデータで解説!今月の消費トレンド速報

いま、なぜリメイク作品が注目されるのか?スラムダンク等の検索行動から背景を探る

 マーケターにとって、世の中の流行やトレンドを押さえておくことは重要なポイントです。今消費者は何に注目しているのか、どんなニーズを抱えているのか? ヴァリューズが有する国内250万人規模の消費者行動データから、トレンド分析ができるツール「Dockpit」 を用いて、消費者トレンドを探っていきます。

リメイク作品が多かった2022年

 2022年12月に公開されたアニメーション映画『THE FIRST SLAM DUNK』をご存知でしょうか? 90年代に放映された『SLAM DUNK』という高校バスケを題材にしたアニメが、映画としてリメイクされました。人気作品ゆえ、当時から今まで原作マンガやテレビアニメで一度は触れた方も多いのではないでしょうか。

 2023年1月からはアジア各国でも映画公開が始まり、高い動員数を記録するなど、海外ファンからも注目されている『THE FIRST SLAM DUNK』ですが、映画情報を目にしたときの筆者の感想は「あ、またリメイク作品」でした。調べてみると、『トップガン マーヴェリック(映画)』『クロサギ(ドラマ)』『うる星やつら(アニメ)』と、多くのリメイク作品が2022年に公開されています。「あ、またリメイク作品」という感覚は、気のせいではなかったようです。

 では、なぜ、リメイク作品はこれだけの注目を集めているのか? 当時ファンだった人々の熱が再燃しているのでしょうか? 『THE FIRST SLAM DUNK』を例に、「Dockpit」でデータを確認してみました。

リメイク作品のファンは当時のまま? SLAM DUNKで検証

 下のグラフは、映画が公開された2022年12月から過去2年間の「スラムダンク」検索ユーザー数(UU)の時系列データです。原作者の井上雄彦氏が2021年1月にTwitterで映画化を発表して以降、何らかの情報が発表される度に検索の「山」ができています。2022年7月以降に検索ユーザー数が伸びており、この頃に情報が大衆化し始めたようです。

【クリックして拡大】2020年11月~2022年12月「スラムダンク」検索ユーザー数の推移(Dockpit/PC・スマホ合算)
【クリックして拡大】2020年11月~2022年12月「スラムダンク」検索ユーザー数の推移(Dockpit/PC・スマホ合算)

 この検索ユーザーが当時ファンだった人々なのかを確認するため、映画化が発表される前、映画化発表後、情報が大衆化した後の3つの期間で属性変化を見ていきます。

 下のグラフを見ると、年代は一貫して30~40代の割合が高く、全体の約6割を占めています。スラムダンクは1990年代の作品のため、当時のファンを10代前後と想定すると、現在は30~40代。そのため、年代だけで言えば、当時のファンがリメイク化によって再燃したと考えてもよさそうです。

 しかし、性別を見ると、2021年1月以前は男性比率が63.7%と高かったのに対して、映画化を発表した2021年1月以降から女性比率が高まり、映画情報が大衆化した直近半年間では日本のネット利用者全体の男女比と変わらないところまで女性比率が伸びています。

【クリックして拡大】検索ユーザーの年代構成変化(Dockpit/PC・スマホ合算)灰色点線は日本のネット利用者全体の平均構成比
【クリックして拡大】検索ユーザーの年代構成変化(Dockpit/PC・スマホ合算)灰色点線は日本のネット利用者全体の平均構成比
【クリックして拡大】検索ユーザーの性別構成変化(Dockpit/PC・スマホ合算)灰色点線は日本のネット利用者全体の平均構成比
【クリックして拡大】検索ユーザーの性別構成変化(Dockpit/PC・スマホ合算)灰色点線は日本のネット利用者全体の平均構成比

 このデータから、男性比率の高かったスラムダンクファンが映画化をきっかけに女性比率を高めていったことがわかります。当時のファンが再燃しているのか? という問いに対しては、それだけでなく、当時のファンを下支えに新規ファンも獲得できていると考えます。

 リメイク作品が注目される背景をWHO(ファン層)の観点から確認しましたが、続いてWHY(なぜ)を深掘りしたいと思います。こちらも「Dockpit」で見ていきましょう。

この記事はプレミアム記事(有料)です。ご利用にはMarkeZineプレミアムのご契約が必要です。

有料記事が読み放題!初月1円キャンペーン中!

プレミアムサービス詳細はこちら

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラスをご契約の方は
・こちらから電子版(誌面)を閲覧できます。
・チームメンバーをユーザーとして登録することができます。
 ユーザー登録は管理者アカウントで手続きしてください。
 手続き方法の詳細はこちら

次のページ
データで見えた、リメイク作品ならではの盛り上がり方

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
250万人規模のデータで解説!今月の消費トレンド速報連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

川西 里穂子(カワニシ リホコ)

株式会社ヴァリューズ データマーケティング局 コンサルティングG アシスタントマネジャー マーケティングコンサルタント調査会社で営業とリサーチャーを務めたのち、2社目ではBtoCメーカー企業のデジタルマーケティング支援に従事。ヴァリューズに入社後は、コンサルタントとして日用品/食品/総合家電メーカー...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2023/02/27 09:35 https://markezine.jp/article/detail/41400

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング