KPOPのファン層はどんな属性?トレンドの中にいる人々を分析
2023年末のNHK紅白歌合戦(以下、紅白)で歴代最多のKPOPグループが出演し、KPOPの存在感を印象づけました。TWICEの日本市場における成功以降、日本人メンバーが所属するKPOPグループや、NiziU、JO1のようなKPOPにルーツを持つ日本人メインのグループも増えており、KPOPとして日本市場を積極的に開拓する動きも活発化しています。
今月は、現在のKPOP人気は何によって起こっており、どのような人に支持されているのかをデータから分析してみました。KPOPの第四世代として人気を牽引しているグループを中心に、ファン層の変化や関心の持たれ方について観察し、最新KPOPのトレンドをおさえましょう。
BTSの人気を支えるのは、意外と40~50代のファンだった
はじめに、KPOP関心層の属性を女性グループと男性グループで分けて見ていきます。
まずは、女性グループから。下のグラフは、それぞれのグループ名で検索した人の属性分布を表しています。JPOPの女性グループである乃木坂46と比較すると、KPOP女性グループに関心を持っている層は女性比率が高い傾向が明らかです。また、年代別で見ると、LE SSERAFIM(ル・セラフィム)を除き、KPOPグループは若い世代に人気が高いことがうかがえます。
次に、男性グループの関心層です。同様にグループ名の検索者の属性を見ると、女性グループの関心層と比較して女性の割合が一気に高くなっています。一方で、JPOPの男性グループであるSixTONES(ストーンズ)やSnow Man(スノーマン)と比較すると、KPOPアイドルは、男性の検索者の割合がやや高く、男性からの関心も比較的高いと考えられます。
筆者は大学時代にKPOPコピーダンスサークルに所属していた経験がありますが、そのサークルのメンバーも当時半分程度が男性で、彼らは男性のKPOPアイドルに対して人として憧れを抱いていたり、KPOPの楽曲やパフォーマンスに関心があったりするようでした。
年代別の属性を見ると、BTSの関心層は40~50代にボリュームがあるのが非常に特徴的でした。その他のKPOPグループでは、Stray Kids(ストレイキッズ)やSEVENTEENは、20代と40代に山があることが特徴的です。
弊社で以前リリースした『BTS初心者が「推し活ファン」に定着する過程を行動ログデータから調査してみた』の記事によれば、BTSに関して繰り返しWeb行動を行う人は時間の経過に伴い、40代以上の女性の割合が高くなったことが明らかになっています。グループ別の日本デビュー年はBTSが2014年、SEVENTEENが2018年、Stray Kidsが2020年であることを考えると、日本デビューが早い順に、40代以上の占める割合が高くなっていることがわかります。
KPOPファンは、20代のイメージが強いかもしれませんが、ファンが定着するに連れて、徐々に40代以上の女性へとファン層のボリュームが移っていくという動きは、ある程度KPOPグループに共通して見られる動きかもしれません。