※本稿は『営業してない相手から“契約したい”と言わせる マーケティングの全施策60』(ブックダム刊)の一部を、著者の協力を得ながらMarkeZine向けに再編したものです。
本当によくある課題を切り口に解決策をシェア
この連載では、実際に私がマーケ予算ゼロの「誰も知らない無名のベンチャー企業」で、ゼロからBtoBマーケティングを立ち上げる中で見つけた、勝ちパターンを解説していきます。前回は、近年BtoBマーケティングでも定着し始め、実際に効果が得られるチャネルとして、「YouTube」「X」「LINE」の活用を解説しました。
今回取り上げたいのは、BtoBマーケティングで“本当に”よくある課題とその解決策です。
マーケの相談をいただく機会、マーケのコンサルをする機会も増えたことで、自分がぶち当たった壁に、多くのマーケ担当者や経営者もまた同じくぶち当たっていることに気づかされました。ここでは“本当に”よくある課題として、3つの「相談事例」とその解決策をピックアップ。あなたの課題もきっと解消されるヒントが見つかるはずです。もし、あなたの周りに同じような課題に困っている方がいれば、ぜひシェアしてあげてください。
相談事例:リードが増えたのに商談化しない、どうしたらいい?
課題
リード数が増えたが、アポ率/受注率が低下して売上が伸びない。
解決策
階段設計の項目で説明した「階段設計の見直し」と「リード獲得後の施策の見直し/施策を追加する」の2つの軸で改善を進めるべきです。
1.階段設計に応じたコンテンツの追加を検討
〈考えるべき問い〉
- 潜在層、準顕在層、顕在層の各フェーズのコンテンツは網羅されているか?
- 現時点で、コンテンツが不十分なところはどこか?
潜在層、準顕在層、顕在層の各フェーズに合わせたコンテンツを揃え、チャネル内でも網羅的に提供することが必要です。これにより、リードが自然に次のステップに進むよう誘導できます。

マーケティング施策がうまく行くようになり、新規リードが一気に増えると、基本的には潜在層のリードの割合が増えます。問い合わせで入ってくるリードは、確度の高い顕在層の顧客であることが多いためです。そんな中で、従来の顕在層に向けた通常の営業フローだけだと、当然アポ率・受注率は落ちます。潜在層の顧客が商談に来ることに備えて、新規リード数の増加と階段設計の強化は常にセットで行い、目標のアポ率20%を下回る際は、見直すことが必要です。詳しくは連載の第2回をご覧ください。
2.リード獲得後の施策を見直す/追加で試す

特に、トップ営業マンが商談しているYouTube動画を商談前に事前に送ることは効果的です。実際、SAKIYOMIではこの方法を活用することでリード獲得までにかかる時間が半減し、受注率が3倍になりました。動画の施策について知りたい方は詳しくは連載の第5回をご覧ください。
相談事例:リード数が頭打ちになってしまった時はどうすればいい?
課題
アウトバウンド営業(紹介/代理店/テレアポ)のみでリードを獲得→リード数が頭打ちになってしまう。
解決策
頭打ちの要因を整理してから、要因に合わせた解決策を実施するのがセオリーです。まず、頭打ちの要因は、「ターゲットセグメントの顧客をすべて取ってしまったか?」の問いに対してYesかNoかで整理します。
・Yes(ターゲットが残っていない場合)
別セグメントへのアプローチを検討しましょう。また、リード数の限界を確認したうえで、その後の遷移率や顧客単価を最大化して、売上を伸ばす方法を模索しましょう。
・No(ターゲットが残っている場合)
現状の施策で取り逃がしている顧客との接点をどのように作るのか、新チャネルの検討とサービスの認知率を向上させる施策を検討しましょう。
続いて、要因に合わせた解決策を実施します。ここでは、「(1)既存チャネルの伸び代を考える」「(2)新たなチャネル・セグメントの開拓を検討」「(3)新たなプロダクト・プランの設計(低単価プラン/高単価プラン)」「(4)フック商材の導入」「(5)アライアンスの開拓」「(6)第1想起の獲得を目指す」の6つを具体的な解決策として紹介します。