DENTSU DESIRE DESIGN「11の欲望」の変遷
この連載では度々DENTSU DESIRE DESIGN(以下DDD)の欲望フレームである11欲望についてお話してきました。今回は11欲望をもとに新たに作成した6つの欲望クラスターをご紹介したい思います。
DDDでは2022年6月に最初の11欲望と10の欲望クラスターを発表しました。この2つは2021年から現在まで継続している「心が動く消費調査」をベースに作成したものです。
ここで2022年の社会状況を思い出してみましょう。2020年初頭に発生した新型コロナ禍は続いており、経済活動は徐々に回復をしていましたが、まだまだ消費者の様々な行動は新型コロナ禍の影響を受けたものでした。2022年に発表した11欲望と10欲望クラスターもそれを反映しており、調査の価値観項目を見てもコロナ禍を反映した回答が得られています(参考記事)。
その後、コロナ禍が明けて社会活動が活発化してきたこともあり、消費者の欲望や価値観の在り方にも変化が生じました。そこで2024年には11欲望のリニューアル版(図1参照)を発表しています(参考記事)。

そして、今回、このリニューアルした11欲望をもとにして作成したのが6つの欲望クラスターです。以降は、この6つの欲望クラスターについて詳しくご紹介していきます。
2022年版と何が変わった?新クラスターの特徴
前回、2022年に発表した欲望クラスターは消費者全体をくまなく描き出すことを意識したこともあり、かなり細分化したクラスターとなっていました。そのため比較的傾向の近いクラスターが存在したり、欲望以外も含めて調査結果の全項目が高い、もしくは低いクラスターが存在したりしていました(図2)。
消費者をピンポイントに抑えたいという場合には活用しやすいのですが、面で把握するには不向きなもの部分もありました。

そこで今回は欲望の強弱の差をより意識して、6つのクラスターに整理しました。欲望にかなり強弱がついたクラスターとなっています。
また、これは結果的にそうなったとも言えますが、性年代の傾向にもかなりメリハリがついています。男性が多いクラスター、女性が多いクラスター、若年層が多いクラスター、シニアが多いクラスターがそれぞれ見えてきました。消費者のライフステージの変化による欲望への影響も考察できます(図3)。
