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「たべっ子どうぶつ」がまさかの映画化!お菓子×IPでブランドファンを育てるギンビスの仕掛け

 ギンビスのロングセラー商品「たべっ子どうぶつ」が売れ行き好調だ。好調の背景には、2018年頃から始めた動物キャラクターを前面に打ち出した様々な施策がある。人気ブランドとのコラボグッズの展開や、体験型リアルイベントの開催、さらには映画化まで! IPを使った様々な施策により、子どもからZ世代を中心とした若者層、親世代まで幅広い世代の心を掴むことに成功し、グッズとお菓子、双方の売上成長を実現しているという。こうした取り組みの背景や狙いについて、代表取締役社長 宮本周治氏に詳しくうかがった。

ブランドの世界観を楽しく伝える、映画製作への想い

──5月1日より、映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』が公開となりました(※)。はじめに、今回映画化に至った背景や狙いについてお聞かせいただけますか?
(※上映に関しては公式HPをご確認ください)

宮本:映画化の最大の目的は「ファンづくり」です。実はこの映画化プロジェクト自体は、2020年の初頭から動き出していました。5年かけて、ようやく完成させることができました。

株式会社 ギンビス 代表取締役社長 宮本周治氏
株式会社 ギンビス 代表取締役社長 宮本周治氏

 映画化は、ずっとやりたいと思っていたことの一つでした。「たべっ子どうぶつ」の世界をビジュアル化することで、楽しさやワクワクをより身近に感じてもらうことができると感じていたためです。

 「たべっ子どうぶつ」というブランドの世界が間違って伝わってはいけないので、映画制作時には、細部までかなり気を配りました。あくまで中心にあるのはお菓子の「たべっ子どうぶつ」のイメージ。「たべっ子どうぶつ」は世代を超えて長く愛されているお菓子なので、お菓子のイメージをぶらさず、親子で楽しんでいただける作品にしたいと思い、製作委員会の皆さんと5年にわたり何度も打ち合わせを重ねました。

──映画公開後の反響はいかがですか?

宮本:おかげさまで非常に好評です。公開から53日間で、動員数は54万人、累計興行収入は7.1億円を突破しました(2025/6/23時点)。たくさんの人に見ていただき、SNSにポジティブな感想も多く寄せられています。

 子どもはもちろん大人の方にも楽しんでもらえるように、愛と平和に満ちた映画に作り上げたつもりでしたが、想像以上の反響があってよかったです。

映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』
映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』
©ギンビス ©劇場版「たべっ子どうぶつ」製作委員会

グッズは累計3,000超え!多世代に届ける仕掛け

──映画化だけでなく、ここ数年「たべっ子どうぶつ」では、キャラクターを使った様々な新しい取り組みを展開されていますね。いくつかご紹介いただけますでしょうか?

宮本:「たべっ子どうぶつ」の世界が楽しめる体験型イベント「たべっ子どうぶつLAND」を期間限定でオープンしたり、GUやマクドナルドといった人気ブランドとコラボしてグッズを展開したり、秋元康さん総合プロデュースの音楽ユニット「たべっ子キッズ」を誕生させたりと、様々な取り組みを行っています。

 これまでに展開したグッズは累計3,000種類を超えています。グッズは販売開始してすぐに完売することも多く、熱狂的なファンが増えていると感じています。

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フォトスポットやフード・ドリンク、グッズなど「たべっ子どうぶつ」の世界観を楽しめる体験型屋内イベント「たべっ子どうぶつLAND」。東京ドームシティ Gallery AaMoや横浜ASOBUILDなどで期間限定で開催。累計来場者は25万人を突破している。(画像出典

──IPを中心としたこれらの施策は、どのような狙いがあるのでしょうか?

宮本:こうした取り組みの目的は、「たべっ子どうぶつ」というブランドを愛してくれるファンを増やすことです。特に、異業種企業とのコラボ企画を通してタッチポイントを増やすことで、食品業界の枠にとどまらない広い層に届けられると考えています。アパレルとのコラボや映画化がその良い例です。

 なので、コラボレーション先の企業を決める際には、意外性や面白さを重視しています。「たべっ子どうぶつ」というブランドと、その企業さんの強みを掛け合わせたときに、相乗効果を生むような組み合わせにこだわっています。

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IPはもちろん大事。でも「お菓子」はもっと大事

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/07/15 10:54 https://markezine.jp/article/detail/49368

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