※本稿は『営業してない相手から“契約したい”と言わせる マーケティングの全施策60』(ブックダム刊)の一部を、著者の協力を得ながらMarkeZine向けに再編したものです。
BtoBでも、もはや当然?「YouTube」「X」「LINE」の活用
この連載では、実際に私がマーケ予算ゼロの「誰も知らない無名のベンチャー企業」で、ゼロからBtoBマーケティングを立ち上げる中で見つけた、勝ちパターンを解説していきます。前回は、定番施策と言える「サービスサイト/LP改善」、そして「サービス資料の見直し」」のポイントを紹介しました。
今回も前回に引き続き、具体的な施策の紹介とそのポイントの解説をしていきます。本稿で紹介したいのは、近年BtoBマーケティングでも定着し始め、実際に効果が得られるチャネルとして、「YouTube」「X」「LINE」の活用について解説します。
圧倒的な相性の良さ!全企業が自社YouTubeを持つ時代に
押さえたいpoint
- 動画制作コストは意外と低い(1本1~2万円ほど)
- リード獲得はもちろん、アポ率や受注率向上に加えて、社内教育やブランド認知度向上などにも貢献し、副次的な効果も大きい
- 後発企業がマーケティングチャネルの中で競合優位性を作る余地のあるチャネル
今すぐ試してほしい施策
- トップセールスパーソンの出演や事例インタビューなどの動画を作成し、営業インパクトを高める
- 「今すぐ作るべき4種類の動画」を作成して、反応を見る
目標KPI
- 新規リード獲得:月30〜150件
- アポ率/受注率が他のチャネルの2倍
「え、BtoBでYouTubeって使えるの?」と思った方も多いでしょう。しかし私自身が実際に試してみて、最もインパクトがあった施策と言っても過言ではありません。商談化率/受注率が他チャネルの2~3倍と圧倒的に遷移率が高く、発注がほぼ確定の状況で商談が始まることも少なくありません。私が知っている事例だけでも年間数億がYouTube経由で生まれているケースは、決して珍しくないのです。
BtoBビジネスだと再生数が数百~数千回でも十分売上は立ちます。そもそもBtoBにおけるYouTube発信は、バズること"だけ"が目的ではありません。特にチャンネルが伸びるまでの初期フェーズは、ハウスリストのナーチャリング施策の1つとして捉えましょう。
BtoBのサービス(無形商材)は、LPだけではその魅力や価値を伝えきれません。動画を用いることでサービスの魅力などをより効果的に伝え、顧客の理解を深められます。イメージは「トップセールスマンの商談動画を100人に観てもらえたら数件の受注につながる」。再生数を稼ぐことを考えるのではなく、アポ率/受注率を上げるために動画を作ると初期は必ず費用対効果がペイできます。
SAKIYOMIでは開始から3年間で300本の動画を制作、YouTubeにコミットした結果、次のように成果が得られています。


このように動画を積み重ねて試行錯誤をした結果、数万回の再生数になっていますが、いきなり数万回の再生数を目指すとうまくいかないですし、そもそも不確実性が高すぎて挑戦すらできません。数回ほどYouTube発信を行い、相性の良さや伸びしろを確認できてから、KPIを設定しましょう。そのうえで、投稿頻度を増やしていけば良いのです。
ではここから、作るべき動画の具体例を紹介していきます。