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動画ネイティブ世代がリピート、登録者50万人超に。McGuffin編集長の刺さるコンテンツ制作視点

月間ユニーク視聴者数約139万人、リピーター率66%という高い視聴定着率を誇る動画メディア「McGuffin(マクガフィン)」。2017年にスタートし、音楽・ファッション・アート・スポーツなど、ジャンルを横断するカルチャーコンテンツで幅広い世代に注目を集める。人気を呼ぶ要因である「独自の視点」は、どのような発想のメカニズムから生まれているのか。同メディアの編集長・安藤啓太氏に、持続的なエンゲージメントを生み出す企画設計の秘訣を聞いた。

登録者50万人を達成。視聴者の人生を刺激する「McGuffin」

━━はじめに、編集長である安藤さんの業務領域やミッションを教えてください。

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株式会社ニューステクノロジー McGuffin編集長 安藤啓太氏
1987年4月4日東京都生まれ。大学卒業後に雑誌の編集者としてキャリアをスタート。2017年よりカルチャー動画メディア「McGuffin」に参画し、現在は編集長を務める。音楽(特にヒップホップ)・ファッション・本・映画など幅広いユースカルチャーに精通し、世代やジャンルを越えてカルチャーの魅力を発信し続けている。

 企画立案から最終チェックまで全工程に関わっています。編集部全員がスタートから最後まで携わるスタイルですが、私は企画立案、取材、編集指示に加えて、予算管理、目標設定、他メンバーの最終チェック、そして動画以外のイベント立案も担当しています。

 現在はYouTubeチャンネル登録者が50万人に到達したところですが、直近1年の伸び率が過去と比べて向上しているので、数年で100万人登録者を目指すという目標を設定しています。

━━動画メディア「McGuffin」のメディアの概要や視聴者層などを改めて教えてください。

 McGuffinは「人生を刺激する“ライフカルチャー”を」をスローガンに、音楽、エンタメ、ファッション、経済、グルメなど様々なジャンルを横断して、刺激的な東京のカルチャーを扱っています。ただの情報発信ではなく、視聴者の心を動かして人生を刺激するような設計を心がけています。ロゴはドミノをモチーフにしており、McGuffinが見た人の心を動かして背中を押すことで、その人がまた別の人の心を動かし、背中を押していく━━といった連鎖をイメージしています。

 視聴者層は18~44歳が全体の約75%を占め、その中でも25~34歳が最も多く、全体のおよそ3分の1を占めています。平日は仕事をしていても土日はライブなどのイベントに行くなど、カルチャーが好きな方々に視聴していただいています。

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リリースより/YouTubeチャンネルへは画像をクリック

安直なマーケティング分析より「編集部の熱量」を重視する理由

━━McGuffinは高いリピート率を誇っていますが、視聴者に受け入れられている要因をどのように分析されているでしょうか。

 最初はいわゆるマーケティングデータ、分析を重視していました。どういう企画が今の世代に合っているか、流行に合っているかを考えて制作していたのですが、実際には自分が本当にやりたいものを作った時の方が、再生回数・リピート率・クリック率のすべてが高いことがわかりました。

 YouTubeを7~8年ほどやって最近気づいたことですが、マーケティングを重視しすぎるがあまり、“狙っている感”が伝わった結果、視聴者が離れてしまったケースもYouTube上で見かけます。たとえば「Z世代は長尺より短尺の方が見る」という分析から短尺動画にしたり、再生数を稼ぐために1本の動画を前後編に分けたりといった手法はよく聞きますが、鵜呑みにして上手くいかなかったケースもあるはず。分析すればするほど小手先の技術に縛られ、画一化したり、持ち味を失ったりしてしまうのです。

 そもそも、僕らが根本に持っているやりたい事をやらないと意味が無いですよね。ですので、やりたい事を第一優先に考えるようになりました。

 視聴者も今は“YouTubeネイティブ”な世代が増えており、本当に好きで作っているコンテンツなのか、ビジネス的に狙って作っているのかを見抜けるようになっています。そこで今は世代や流行はあえてあまり考えず、編集部メンバーが良いと思うものを純粋にピックアップしています。企画の選定基準は各編集者にとって「クール」かどうか。それが結果的に視聴者にも響いているようです。

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人気を呼ぶ独特のキャスティング。その基準は?

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/07/23 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49452

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