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先進的なCRMを実践する事例大全

ID統合やECリニューアルから紐解く、パルコのCRM戦略──「感性の時代」に顧客と深くつながるには

 2022年11月に新たな会員サービス「PARCO メンバーズ」を導入し、あらゆるサービスの顧客IDを統合させたパルコ。続けて2023年3月にはECサイト「PARCO ONLINE STORE」を「ONLINE PARCO」としてリニューアルオープンしている。同社のCRMにおける取り組みの背景や目的について、デジタル推進部の安藤氏とCRM推進部の上岡氏に伺った。

顧客に中長期的なファンになってもらうために

MarkeZine編集部(以下、MZ):今回はパルコのCRM戦略について伺います。まずは、自己紹介をお願いします。

安藤:これまでメーカーや小売りでCRM・デジタルマーケティングに携わり、2018年にパルコに入社しました。現在はデジタル推進部として、デジタルタッチポイントの構築および運用、自社QRコード決済サービス「ポケパル払い」とポイントサービス「PARCOポイント」のシステム構築、デジタルコミュニケーション、データ分析活用などを担っています。

株式会社パルコ デジタル推進部 部長 安藤彩子氏
株式会社パルコ デジタル推進部 部長 安藤彩子氏

上岡:各地のPARCO店舗で販促やテナントリーシング(テナント誘致)、出店者との契約管理などの経験を経て、2019年からCRM推進部に加わりました。当部署では、キャッシュレス全般の運用業務、SNSやWeb広告など各店のコミュニケーションツール運用、VOC(お客様の声)の取得から蓄積や分析などのカスタマーサポート、ECサイト「ONLINE PARCO」の運用と大きく分けて4領域を担当しています。

 これらはいずれも、中長期にわたってお客様にファンになってもらうことを目指しています。パルコ固有の資産として、その関係性を適切なコストで維持拡大することを私たちはミッションに掲げています。

株式会社パルコ CRM推進部 部長 上岡靖弘氏
株式会社パルコ CRM推進部 部長 上岡靖弘氏

MZ:2022年11月にパルコではあらゆるサービスの顧客IDを統合した会員Webサービス「PARCOメンバーズ」を導入されましたよね。サービスの概要を教えていただけますか。

安藤:PARCOメンバーズでは現在、PARCOポイント・ポケパル払い・ONLINE PARCOの会員サービスを利用いただけます。つまりPARCOポイントのWebサービスと、ECサイトであるONLINE PARCOの会員統合によって生まれたサービスとなります。

ID統合による利便性の先に、新たな提供価値を作る

MZ:IDの統合に至った背景をお聞かせください。

安藤:パルコには、エンターテインメントや新規事業などショッピングセンター事業だけにとどまらない総合的な魅力があります。その魅力を伝えるために、お客様と1対1で向き合い、なおかつ多様性のあるサービスを提供していくパルコらしさが大切であると考えました。

 ID統合の最終的なゴールは、LTVを拡大することと、会社の収益を拡大することです。そのために、顧客のロイヤルティを高める必要があります。一番の方法は、パルコを好きになってもらうこと。そのためにはタッチポイントを増やす必要があり、ID統合を行うことでその土台を整えられたと思います。

MZ:各種サービスのIDを統合する取り組みは、コストやリソースも非常にかかると思います。意識されたことやポイントがあれば教えてください。

安藤:現在はまだ道半ば、これからが本番という段階です。何より難しいのは、ID統合をした意義を全社的に理解してもらうことですね。またID統合の先に新たな提供価値がなければ、お客様目線では「利便性が向上した“だけ”」になりかねません。

 だからこそサービス同士を横連携・クロス連携させ、お客様にとってより価値の高いものを生み出す必要があります。今はその価値作りを行っている段階です。

MZ:全社的な理解を得るために、どんな試みをされたのでしょうか?

安藤:中期計画策定のタイミングで、経営側とも多く話しながら目線合わせをしています。加えてPARCO各店や各部署ともコミュニケーションを取りながら、具体的な取り組みを進めているところです。

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この記事の著者

三ツ石 健太郎(ミツイシ ケンタロウ)

早稲田大学政治経済学部を2000年に卒業。印刷会社の営業、世界一周の放浪、編集プロダクション勤務などを経て、2015年よりフリーランスのライターに。マーケティング・広告・宣伝・販促の専門誌を中心に数多くの執筆をおこなう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/13 08:00 https://markezine.jp/article/detail/44208

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