会員数は135万人、店舗数は約1,800店と急成長を遂げた「chocoZAP」
MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに、chocoZAPの事業概要と上遠野さんの役割を教えてください。
上遠野:chocoZAPは、運動初心者をメインターゲットに展開している無人運営のフィットネスジムです。気軽に運動を始めたい方々に向けて「月額2,980円で通い放題」という価値を提供しています。ジムだけではなく美容やエンタメ系のサービスも導入し、お客様の多様なニーズに対応しながら会員数を増やしてきました。ローンチしてから約3年経った2025年5月現在、会員数は135万人、店舗数は約1,800店まで成長しました。
私自身は現在、RIZAPのCRMユニットに所属しています。当部署のミッションは、企業理念「『人は変われる。』を証明する」の実現のため、一人でも多くのお客様にchocoZAPのサービスを継続利用いただき、LTVを最大化することにあります。

顧客データから、chocoZAPならではの最適なコミュニケーションを提供
MZ:chocoZAPのマーケティング戦略についてお教えください。
上遠野:chocoZAPでは、サービス開始から2年間ほど大規模な広告配信を行い、認知率の向上に努めてきました。その際、オンライン・オフライン問わず様々なチャネルを活用して、数千パターンにもおよぶクリエイティブのA/Bテストを行い「集客の勝ちパターン」をブラッシュアップ。また、ライフログやECにおける購買ログ、アプリ内の行動ログなどのあらゆる顧客データを集約、可視化しています。
これらのデータを元に、お客様一人ひとりに最適なコミュニケーションを提供する。それがchocoZAPのマーケティング戦略の肝であり、私たちCRMユニットのミッションでもあります。

上遠野:実際、お客様が入会契約を完了させた後のあらゆるコミュニケーションをCRMユニットが管理しています。たとえば入館方法やサービスの利用方法、予約方法、ジムマシンの使用方法、入会者がもらえるヘルスウォッチと体組成計を連携させるためのオンボーディング施策に至るまで、すべてCRMユニットが担っています。
お客様の年齢層は10代~70代と幅広いのですが、新規入会される方の場合、運動初心者が多いことから「何をしたらいいのかわからない」「一人では効果が出づらい」などの理由でモチベーション低下につながりがちです。そのため、CRMユニットがお客様の目標管理の支援や続けやすい雰囲気の醸成につながるコミュニケーション施策を行っています。
その一方で、既存のお客様に対しては、お店への愛着や関係値が高まり、自分磨きに対してさらにモチベーションが上がってきた段階で、専属トレーナーがサポートする有料プログラムや美容医療サービスといった別のサービスをレコメンドすることもあります。
私たちのマーケティングにおける大きな強みは、パーソナルトレーニング事業の「RIZAP」で培ったノウハウが詰め込まれていること。たとえば会員専用の動画配信サービス「chocoZAP TV」は、前身がRIZAPの映像コンテンツ「RIZAP LIVE」となっており、まさに当社ならではのコミュニケーションといえます。