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先進的なCRMを実践する事例大全

会員数は1,400万人を突破!店舗×デジタルで実現する、スターバックスのCRMの現在

 昨今、「顧客といかに良好な関係作りをするか」に注目が集まっている。こうした中で外せないのがCRMだ。CRMをうまくワークさせていくためにはどういったことが必要なのだろうか。本記事では、スターバックス コーヒー ジャパンのデジタル戦略本部 CRM部 部長、清水省吾氏に同社の取り組みと考え方について伺った。

リアル中心のつながりをデジタルで深化させる

──はじめにスターバックス コーヒー ジャパンのマーケティング戦略を伺えますか。

清水:弊社のミッションである「この一杯から広がる心を通わせる瞬間 それぞれのコミュニティとともに—人と人とのつながりが生み出す無限の可能性を信じ、育みます」が根底にあります。

 そのため、一人ひとりのお客様に寄り添い、パートナー(従業員)とお客様を巻き込み、人と人とのつながりを深めること。そして体験価値を向上させていくことに取り組んでいます。

スターバックス コーヒー ジャパン デジタル戦略本部 CRM部 部長 清水省吾氏<br />
スターバックス コーヒー ジャパン デジタル戦略本部 CRM部 部長 清水省吾氏

清水:我々が大切にしている「人と人とのつながり」は、近年重要さが増していると考えています。ですから、会社とお客様がつながるのではなく、店舗を中心に、お客様・パートナーそして地域が一体となれるようなコミュニティの形成を目指しています。

──こうした中で、CRMはどのように位置づけなのでしょうか。

清水:会社の成り立ちからも、リアルでCRMを取り組む文化が根付いています。それを昨今ではデジタルも活用しながらよりシームレスな体験を届けることを意識しています。

 2024年3月末時点でスターバックスの店舗は1,900店舗を超え、1週間でおよそ660万人のお客様が来店します。しかし、お客様のライフスタイルは様々です。弊社では、その多様化するライフスタイルやニーズに応えられるようにデジタル活用を強化し、スターバックスの体験価値向上に努めています。

お客様に寄り添い、つながりの最大化を図る

──デジタルを活用したCRMではどういった点を重視し、推進していますか。

清水:デジタルを活用したCRMの利点は、新しいサービス体験の提供によって、新しいお客様とつながりを持てる点です。スマートフォンは人々の生活に欠かせないデバイスですので、デジタルとリアルを融合させながら、個々のお客様のニーズに合った体験をお届けすることが求められています。

 そして、デジタルを活用したCRMで重視しているのは、お客様のデータを活用し、パーソナライゼーションをし、LTVを最大化することの3つです。これらを意識しながらお客様に寄り添い、つながりの最大化を図っています。

──CRM施策の変遷について伺えますか。

清水:お客様一人ひとりの行動を、マーケティング活動に活かす取り組みは、17年前からスターバックスカードという形で始まりました。

スターバックスのCRMのあゆみ
スターバックスのCRMのあゆみ

清水:約10年後、オンライン入金や残高保証するサービスを付帯し、Web上でスターバックスカードを登録できるようにしました。これで個人情報と購買情報が紐づけられるようになりました。

リワードプログラムの利用者は、2024年3月末時点で1,400万人を超えた。
リワードプログラムの利用者は、2024年3月末時点で1,400万人を超えた。

 2017年に公式アプリや登録済みスターバックス カードでのお買い物で、Starが集まるプログラム「スターバックス リワード」のローンチに踏み切りました。以降はこれらのスキームをお客様にご活用いただくため、お客様のエンゲージメントが高まる施策や、利便性を促進する施策など、それぞれのサービス開発を進めてきています。

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この記事の著者

齋藤 ゆう(編集部)(サイトウ ユウ)

大学卒業後、広告代理店に入社しマーケターに。その後、事業会社に転職。金融・美容分野のマーケティング・企画・運営・セールスに携わる。2020年、翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/05/08 08:30 https://markezine.jp/article/detail/45444

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