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編集長インタビュー

Amazonランキング1位を獲得!『小さく分けて考える』著者 菅原健一氏に聞く、売れる書籍の新法則

 2022年12月、Moonshotの菅原健一氏が自身の思考法をまとめた書籍『小さく分けて考える 「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考』(SBクリエイティブ)を上梓した。予約時点でAmazonランキング和書総合1位を獲得、初版1万5,000部で滑り出した本書は、製作協力として加わっている尾原和啓氏のサロンで話した内容がきっかけだったという。戦略的に1位を狙った策、自身のフォロワー以外にどう手に取ってもらえるか、またSNSでの“メジャー感”の創出など、売り伸ばすために何をどう“分解”し実行したかを聞いた。

自分の「思考法」が本になるとは思っていなかった

――菅原さんには翔泳社からも本を出していただいていますが、このような一般ビジネスパーソン向けの書籍を手掛けられるのは、少し意外でした。

菅原:そうですよね、これまでの著書はすべてマーケティング業界向けだったので。いずれも1~2万部いかないくらいだと思いますが、業界の本だとなかなかそれを超えるのが難しく、“業界本の壁”があるなと思っていました。

 もちろん、業界の本は1~2万部でも十分ヒットだと思いますが、本を1冊つくるのって大変ですよね。僕も何冊か経験させてもらってよくわかりましたし、部数が多いほど出版社さんの利益も増すので、次の機会があれば幅広い人に手に取ってもらえる内容で、大きく売れる本を目指したいという思いはありました。

 ただ、自分の思考法が本になるとは思いもよらなかったです。IT批評家の尾原和啓さんのサロンで話したとき、とても盛り上がり、尾原さんが「本になる」と推してくださったことが出版のきっかけになりました。

Moonshot 代表取締役 CEO 菅原健一氏 2016年スマートニュースでブランド広告責任者とBtoBマーケティング責任者を務める。2013年にアドテクノロジー企業のスケールアウトで取締役 CMOとしてデジタル広告のサービス開発とマーケティングを担当。KDDI子会社でネット広告事業を展開するmediba(東京・渋谷)へのスケールアウト売却に伴い、medibaのCMOに就任。その後Supership(東京・港)でCMOを務める。現在はスタートアップの企業経営とマーケティングの経験を活かし「企業の10倍成⻑を支援する」ことを目指すMoonshotを2018年7月に創業。
Moonshot 代表取締役 CEO 菅原健一氏
2016年スマートニュースでブランド広告責任者とBtoBマーケティング責任者を務める。2013年にアドテクノロジー企業のスケールアウトで取締役 CMOとしてデジタル広告のサービス開発とマーケティングを担当。KDDI子会社でネット広告事業を展開するmediba(東京・渋谷)へのスケールアウト売却に伴い、medibaのCMOに就任。その後Supership(東京・港)でCMOを務める。現在はスタートアップの企業経営とマーケティングの経験を活かし「企業の10倍成⻑を支援する」ことを目指すMoonshotを2018年7月に創業。

――ご自分でも意外な展開だったのですね。

菅原:はい。でも僕自身、アドバイザーをする企業は「その会社の人よりも僕が成功を信じられるかどうか」を軸に決めているんです。本書は、外側から尾原さんが信じてくれたので、やってみようと(笑)。それに、この思考法はどんな方にも生かしてもらえるという直感はあったので、業界に限らず多くの方に知ってほしいとも思いました。

 業界の本は自分で執筆しましたが、今回は編集者さんとライターさんに自分の思考法を洗いざらいお話しし、それをわかりやすく構成してもらった形で出来上がったのが『小さく分けて考える 「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考』です。

締切直前に生まれた「小さく分けて」のタイトル

――まず「小さく分けて考える」というタイトルがわかりやすいです。サブタイトルには「分解思考」という言葉もありますが、タイトルはどう決まったのですか?

菅原:そもそもサロンの時点では、どんな課題でも細かく分解して考えていく思考法を「マーケ脳」といっていました。ただし書籍タイトルがそうなると、マーケティング領域の本に見えるので最初から候補になく、締め切り直前まで「分解思考」で進めていました。

 ただ、これも見た目が硬く難しそうなのがネックでした。制作チームでも話し合い、ぎりぎりでひらめいたのが「小さく分けて考える」だったんです。

――仕事だけでなく、キャリアや生き方に悩んだときも「分けて考える」方法は使えると思いました。実際、章ごとに「仕事の目標を達成する」「自分の理想を実現する」など書き分けられ、後段では具体的なビジネスシーンでの事例が紹介されていました。想定読者をしっかり分解して、適切なコンテンツが詰まっていましたが、誰向けにどう書くか、かなり議論されたのでは?

菅原:はい。今の時代は「いいものをつくったから買って」というアプローチでは難しいと思います。本も同じだと思い、最初から「ニーズがあるところに出そう」と考えていました。また、著者も「依頼されたから」ではなく、チームの一員として“売る意識”が必要だとも思いました。

 そこで企画段階で、本書が着地しそうなジャンルで“今まさに売れている本”をピックアップしてポジショニングマップを作成し、チームで共有したんです。縦軸が「若手~中高年」の年齢、横軸は左側を「生き方」、右側を「ビジネス」とすると、右上の「ビジネス・年齢高め」には『数値化の鬼』『イシューからはじめよ』などがプロットされました。他にもかなり多く、レッドオーシャンだとわかりました。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/03/15 07:00 https://markezine.jp/article/detail/41599

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